劇団☆新感線・いのうえ歌舞伎『朧の森に棲む鬼』@大阪松竹座(12:00〜) 3F-3-19・20

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作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:市川染五郎阿部サダヲ秋山菜津子真木よう子/高田聖子/粟根まこと小須田康人田山涼成古田新太河野まさと/礒野慎吾/武田浩二/中谷さとみ/川原正嗣/横山一敏/山本カナコ/前田悟/村木仁/逆木圭一郎/吉田メタル/保坂エマ/他

10時半頃松竹座の東隣の書店にいたら、道頓堀沿いの通りをてくてく歩くサダヲちゃんを発見。追っかけて後ろから声かけるのも何なのでそのまま見送ったけど。白いハンチングに黄色のダウンをお召しでした。
オットが書店で「ここなあ、昔は店頭は雑貨売ってたんやけど、奥に行くとな、パチもん*1のロレックスとか売ってた店やったんや。毛皮のベストも500円くらいで売っとってな、みんなして犬か猫の毛皮ちゃうんかゆうとったなあ」………いつの話やねん。


ひっさびさのいのうえ歌舞伎楽しかったー。
耕史君関連及びBS・CS導入でめちゃめちゃテレビっ子状態で何かと忙しく情報収集*2もままならず、ほぼまっさらでの観劇。でもどっかのなんか(汗)と違って予習なんかぜんっぜん要らない。キャラ設定もわかりやすいし、ストーリーも単純だし*3舞台装置も衣装も素敵だし、相変わらず殺陣はカッコイイし、笑い処も泣き処もピンポイントで来るし、ああもうとにかく楽しかった。
以下、箇条書きで。

  • 奈津子さんカッコイーーーーー&うつくしーーーーー。ライに剥かれるとこは結構ドッキリ。
  • 真木よう子って綺麗だなあ。ただ綺麗じゃなくて可憐な毒(なんだそりゃ)がある感じ。あのアクの強い面々の中でも埋もれてなかったし、頑張ってたと思う。
  • 聖子さんのシキブが実にキュートで、自分の欲望に忠実な哀しい“浮かれ女”で、最期のときはちょっとうるうる。
  • サダヲちゃんのキンタにも泣かされたけど、実は一番キタのは田山さんのオオキミ。「でもね、あの男だけはやめなさい」って。シキブを愛してるからこそのひとこと。酒の毒も気づいてたんじゃないかと思うと………うわーん。
  • そのキンタ。前半は「兄貴兄貴兄貴兄貴」でもう可愛いったらありゃしない。だからこそ後半の背中がぞくっとするような凄みが倍増。「だが俺は生きている。生きて兄貴に剣を向ける」ってライに向かっていく。前半の殺陣も自由奔放*4でよかったけど、後半に両目を失ってからは、更にスピード感溢れる流れるような太刀捌きで、勝新座頭市見てるみたいでした*5
  • 花道七三がなんとか見える3階席だったので、ライとキンタの六法*6での引っ込みがほとんど見えず。ちくしょう。DVDで観てやる。
  • マダレの古田さんが意外と正統派。しかし登場シーンが女とヤッてるとこってのが素敵(笑)。殺陣はそらもう見事としかいいようがないんだけど、衣装も結構重そうだしあの体格でなんであそこまで飛んだり跳ねたりできるのかすっげー疑問。
  • 染ちゃんはほぼ出ずっぱ喋りっぱ。殺陣は多いわ、水には浸かるわ、これを2ヶ月間約60ステージって(汗)。古田さんとは逆にあの細い身体のどこにそんなエネルギーが………高田馬場の時と同様、歌舞伎役者の底力を見ました。とてもいいものを観させていただきました。ありがとうございました。そして大変お疲れ様でした。後半に向かうにつれ、ライの心にも身体にも悪の花が咲き乱れてく。どんどん妖しく美しく。まさに歌舞伎の“色悪” やっぱ悪役はイイ男じゃないと。衣装は検非違使のが良かったな。柔らかく軽い布地が綺麗なラインを作ってて、赤と黒コントラストが効いてて非常によくお似合い。今回お着替え回数多かったような………DVDで要チェック。
  • DVD早く観たいなー。ゲキ×シネあったら行ってしまいそう。といっても名古屋へ来るのは3年後くらいだろうなー(泣)。
  • 小ネタ少々。
    • “リンリンランラン”て私らでギリギリだぞ。今時の若者たちにわかるのか?。
    • オクマがマダレを指して「ポポ!」って(笑)。わかるひとにはわかる。右隣のおばさま2人組と左隣の女性と前の席の2、3人は無反応でした。ま、“エル・ポポラッチ古田新太”と正式発表されてませんので(笑)。
    • 左隣の女性がしばらく寝てたよ。あの芝居で寝れるってどうよ。
    • 松竹座とか歌舞伎座とか南座とかで歌舞伎を観る時って、開場まで入り口前でなんとなくたむろってて、入り口が開くとじわじわと集まって入っていく感じなのに、今回は、歌舞伎じゃないっていうのと客層の違いできちんと2列くらいに並んでお行儀よく入場。いつもの調子でじわじわ行こうと思ったら、整然と自然に列が出来てたので、慌てて最後尾に並びましたよ。すいません、横入りするつもりじゃなかったのよ。


『朧の森に棲む鬼』e+Theatrix特集

*1:偽物

*2:『リチャード三世』と『酒呑童子』の内容は知ってるけど。

*3:すいません。馬鹿にしてるわけではないです。話が分からないと面白くないでしょ。ただそこかしこで先が読めてしまったり、私が想像した台詞と全く同じ台詞が言われたりということはありましたが(笑)。でもそういうのも楽しみのひとつ。

*4:敵の刀をよけるときのタイミングが面白いのよね。半拍外したり、そこは引くでしょってとこで踏み出したり。

*5:もちろん勝新には遠く及びませんが。

*6:一瞬だけ見えたんだけど六法だったはず。