『舞妓HaaaaN!!!』@ピカデリー2(12:50〜15:00)

サダヲちゃん扮する舞妓オタ・鬼塚の単なるサクセスストーリー(?)映画と思いきや、意外や意外、札束で頬叩くようなプロ野球選手・内藤(堤真一)との2人の男のアツイ戦いが描かれておりました。単に維持の張り合いとも言うけど(笑) プロ野球選手に始まって俳優、格闘家、ラーメン屋、そしてオーラスが京都市長選てどうよ。
もうとにかく1秒たりとも目が離せない。離したらこっちの負けかってくらいの良すぎるテンポとハイテンション。でもね話はちゃんとわかるのよ。どんなシーンも丁寧に作ってあって流してないの。テンポはいいけど雑じゃないのよね。
広げに広げた大風呂敷をどう収拾つけるんかと思ったらそらもう見事なオチで、こういうスラップスティックにありがちな妙に生真面目なラストやあるいは逆に大騒ぎしてお終い、なんていう無粋なことは一切なし。ドタバタの中にも親子の情愛や京都の伝統のあり方の良し悪しが絡んできて、1本きっちりシンの通った痛快エンターテイメント。昭和のエンターテイナーの大御所・植木等の遺作*1に相応しい作品だと思います。
この映画を観てこんな言葉を思い出した。

そもそも才能とは他人より秀でているということではない。夢中になれるという、そのこと自体が才能なのだ。

日本画家・千住博 『プレジデントFamily』2006年7月号巻頭コラムより−

  • 小ネタ少々
    • 伊東四朗近藤勇でサダヲちゃんが鞍馬天狗。笑った。
    • キャストが舞台好きにはたまりませんな。生瀬勝久キムラ緑子・秋山奈津子・大倉孝二橋本さとし木場勝己。これだけでひと舞台できるぞ。
    • サダヲちゃん、真矢さん、さとしさん、木場さんの、ミュージカル〔一見さんお断り〕は最高。サダヲちゃんは主人公だから置いといて、他の3人はこのシーンのためにキャスティングされたといっても過言ではなかろう(笑)
    • ことみちゃんや酒井若菜や北村さんの使い方が贅沢極まりない。あんだけかい。
    • 柴咲コウは素でも美人、舞妓でも美人だけど、“舞妓はん”を感じたのは駒子役の小出早織。彼女が京都出身で今も京都に住んでるからというもあるんだろうけどね、白塗りも割れしのぶも着物も実によく似合ってる。私が男なら駒子を呼ぶね。
    • 舞妓さんと遊ぶにはどうしたらいいのか非常に勉強になりました。とにかく一見さんでないひととお知り合いにならないとなんともならんというのはホントのようだ。
    • パンフに“フォトグラファー レスリー・キー”ってありました。どの写真?………あ、あれだ。鬼塚のHPの舞妓はん写真。たぶん。
    • サダヲちゃんと堤さんの“夢川をどり”をさして違和感も感じずに観てしまったのは、ひとえに歌舞伎が原因(笑)

http://www.maikohaaaan.com/index.html

*1:出てるのはワンシーンだけだけどね。そのワンシーンのBGMが三味の〔スーダラ節〕だった。ナイス。