- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/01/09
- メディア: 雑誌
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何か新しいことは生み出していきたいです。くだらないことばっかり思いつくんですよ。地下二十階でアングラ歌舞伎やろうかなって。お互い「ゾンビ」好きの亀蔵さんと話しているのは「スプラッター歌舞伎」。客席もお客様も血みどろで、終わったら皆で掃除、みたいな。
『しゃばけ』をやりたかったんですよ。(中略)ところが去年の八月、渡辺えり子さん*1と父が『しゃばけ』がどうのこうのって話してるじゃないですか!
僕 「えっ、どういうことですか」
父 「えり子が『しゃばけ』を歌舞伎にって」
僕 「待ってください、それは僕が………」
父 「ほーそうか、それなら面白いんだろうな、じゃ読んでみよう」
僕 「……(くそーっ、絶対この男にやられる)!」
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- おとーさんに先を越されないように頑張れ。そっかー『しゃばけ』を歌舞伎でねえ。映像化は難しいと言われつつフジが力技で作ったけど、いい意味でのなんでもアリが許される歌舞伎もいいかも。
- 歌舞伎に溺れる 出会い、そして別れ 金子國義 P44
三島由紀夫に最初に会ったのは(中略)昭和三十三年秋の歌舞伎座だった。(中略)
その何年か後、僕が舞台美術の仕事を卒業してすぐの頃だ。三島さんが四谷のアパートに突然やってきた。(中略)「面白い絵を描くのがいるんだ」と知人に連れられて来たのだ。しかし間が悪いことに、ちょうどその時、僕は仮装パーティーに出かける仕度の最中。香水の匂いがたちこめる部屋には赤い口紅、アイシャドー、黒の網タイツ、ピンク色の羽飾り、ガラス玉のネックレスが散乱し、不意の来客どころでなく「送れちゃう!」とまるで出番直前のダンサーのように心のなかで叫んでいた。客人はいきなり飛び込んだ世界を楽しむかのように部屋を見回してたった一言、「ジュネの世界だね」と呟いて、お茶も飲まずに帰っていった。僕はあの文豪を袖にしてしまったのである。(中略)
三島の自決の四日前、帝国ホテルで会った。鮨屋「なか田」でご馳走になり「君はピーターパンみだいだね」と言いながらも「トロ、トロ、またトロ」と注文していたのは、たぶん、一生忘れまい。
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- あまりにも三島らしい一言に感動。思わず全文掲載するとこだった。