NHKBSHi 『アインシュタインの眼』 刀一振りに奥義あり〜時代劇を支える殺陣師〜 再 9:00〜9:45

録画済。


林邦史朗先生オンステージ。
殺陣の流れを上から、それもスローモーションで見ることなんてないから楽しかった。抜き胴が当たる瞬間、手首の力を抜いてるのがよくわかる。これで当たる衝撃は十分の一になるのね。究極は“当てないで斬る”だけど斬る相手とすれ違う瞬間、その間は10cm。あたり前だけど林先生は実に綺麗に抜いてました。
美しい殺陣の基本は“一筆書き”。スローモーションで観ると“∞”(無限大)の連続。一度書いたけど、磐音の殺陣に違和感を覚えたのはこれだったのよね。円運動が極力抑えられてて直線的で洋風なの。それがダメということではなく、既成の殺陣を見慣れた自分にはとにかく異質だった。
ちなみに殺陣で大事なことは“安全第一”。そりゃそーだ。竹光でも切っ先で突かれりゃ怪我するし、思いっきり叩かれたら痛いもん。
あと、真剣白羽取りは実戦ではありえないそうな。時代劇では“寸止め”があるからこそ可能。ゲストの加来耕三氏が以前、柳生真陰流の先生に聞いたところ「絶対に無理」って。再びそりゃそーだ。林先生が刀を振り下ろすスピードは時速約200km。実戦ということは寸止めなんぞしないから、新幹線の速度で頭上に落ちてくる刀を手で受け止められるわけがない。
番組の最後に、林先生の指導を受ける殺陣師のたまご達が紹介された。普段からすり足で歩き、自宅では着物を着て、深夜に公演で素振りの練習。殺陣師がいないと時代劇は成り立たない。頑張れー。