東海テレビ 『あしたの、喜多善男』#11終 22:00〜22:54

いいドラマでした。メインキャストの多さにもかかわらず、ひとりひとりの人生がちゃんと見えたのは秀逸。低視聴率に動揺せず媚びることの無い内容で最終話まで持っていってくれたのが嬉しい。キャスティング・脚本・演出・音楽、全てが大人が楽しめた素敵なドラマ。
喜多さん(小日向文世)が死ななくてよかった。平太(松田龍平)が喜多さんが作ったカレー食いたいって言うんだもん。そりゃ生きて食わせないとね。それに腹の虫が鳴ってることを認識した時点でもう死ねないの。死への欲求しかないひとはお腹減らないの。いいじゃない、カレーで死ぬの止めたって。
平太もみずほ(小西真奈美)もしのぶちゃん(吉高由里子)も、喜多さんを想ったことで、逃げずに前を向き歩いていくことになる。みんなの想いに助けられた喜多さんも歩いていく。みずほと見つめ合って何も語らず踵を返す時の喜多さんの顔。あの喜多さんならこれからどんなことがあっても歩いていけるんだろうな。
ところで発信機、喜多さんもしかして気づいてた?……まさかね。
今回も杉本(生瀬勝久)大活躍。正直、みずほの前夫の件は要らなかったような気もするけど、それだと森脇(要潤)の存在が弱くなるし、第一杉本が居る意味がなくなるわね(爆)。

「そんなもんな、俺の業績には何の影響もねーんだよ」

最後までブレないひと。
そして、しのぶちゃんが喜多さんのために流した涙はこのうえなく綺麗なものなのでした。

It seems to me that there are more hearts broken
in the world that can't be mended
Left unattended  What do we do? What do we do?  Alone again, naturally

またこんな気持ちになったら喜多さんに会いに行ってね。


余談。コメントでも話題の原案者・島田雅彦氏登場。最初に映ったときに「あれ?」と思ったんだけど、ラストの方で大映しになって「やっぱりー」(笑)。相変わらずインテリゲンチャな端正なお顔。でもこういう顔はどうも好かん(失礼)。