編集後記
「世間には頭のいい人は掃いて捨てるほどいる。頭がいいだけでは、なんの価値もない。頭の強い人にならなければ」(江藤淳)。
頭の強い人になりたい−そう思うばかりの私の腕を、その人はグイグイと引き、ときには「目を覚ませ」と頭をはたいてくれる。二十歳そこそこで出会った『怒濤の虫』という本の作者であるその人は、女だてらに博打をうち、一人で昼食を食べることを、怖がらなくていいと言った。その後、その人はこういち君やかの子の姿を借りて、ホステスになったりかあちゃんになったりして、今も私の背中を押し続ける。私が信じる日本一頭の強い人、西原理恵子。(爺)