NHKBShi 『龍馬伝』#38 “霧島の誓い” 18:00〜18:45

逆鉾の誓い。エクスカリバードラゴンボール*1か(笑)。いや実際、龍馬は抜いて戻してるんですけども、『竜馬がゆく』では残された手紙を基にした創作でちょっとシニカル。

「その形は」
と、竜馬は手紙にわざわざ絵を入れ、「これはたしかに天狗の面なり」と、自分の目でつぶさに観察しようとした。
おりょうも、近づいてそれを見た。鉾のツカの両面をよく見ると、なるほど天狗の面が両面にある。神代に天狗などという想像の怪物が創作されていなかったであろう。
竜馬は大よろこびをして、
おりょうよ、世間のすべてはこうだ。遠きに居るときは神秘めかしく見えるが、近づいてみればこのたぐいだ。将軍、大名のたぐいもこれとかわらない」
竜馬は台の上にのぼり、鉾のツカに手をかけてみた。鉾は地下深くズブリと突きさされているが、どのくらいの長さやらん、と思い抜いてみようとした。
二人がかりでぐらぐら揺ってみると、案外簡単に抜けた。
「わづか四五尺ばかりのものにて候」
と、竜馬は拍子ぬけしたような文章で書いてある。要するにこけおどし、ということを知ったのである。。

司馬遼太郎竜馬がゆく』4巻“怒濤篇”(文藝春秋)より抜粋

高らかに誓った後に水をさすようで何ですが、いや毎回さしまくってますが(汗)、薩長が幕府と戦争するのは約束が違うというのはどういうこと龍馬(福山雅治)?。薩長同盟の6カ条には「いざとなれば、橋会桑と決戦に及ぶべし」てあるじゃん。裏書したのに見てへんの?。もひとつ長州への援軍の件。薩長同盟はあくまでも薩摩は長州の後方支援。チョクで援軍送るとは言ってないじゃん。更に、今、薩摩が参戦したらそれこそ全面戦争必至。更に更に、もう幕府vs長州は始まってんのに平和的もなにもあったもんじゃなく。でも長州を助ける戦争はOKて何?。ユニオン号での下関海戦参加をスルーするわけにいかないから、矛盾が出てきちゃうんだよ。

ユニオン号は蒸気船で、ワイル・ウエフ号は風帆船である。船足をそろえるために、ユニオン号が、ワイル・ウエフ号をロープでひっぱりつつ南下航路をとった。
池内蔵太殿はよい機嫌でござった」
と、中島はいった。船に未熟なこの勤王志士は自分が船将となって航海することをよろこび、メインマストにのぼって、先行する牽引船のユニオン号にむかい、なにやら大声で話しかけていたという。
「牛に曳かれて善光寺まいりじゃ」
などとはしゃいでいたのであろう。
ところが夕刻になって風が出はじめ、湿度計がにわかに騰がってきた。ほどなく雨をともない、風浪がはげしくなった。
(中略)
嵐は、さらにひどくなった。ついにユニオン号とすれば衝突防止の必要上、ロープを切って別々にならざるをえなくなり、中島四郎はそう決意し、
−涙ヲノンデ、ロープヲキル。
という旨の発火信号を送った。中島四郎が船橋から見ていると、やがてうしろのワイル・ウエフ号の船橋付近から、
−了解セリ、ゴブジヲイノル。
という旨の発火信号が明滅したのをみた。
ロープが斧でたたき切られた。
切られた瞬間、うしろのワイル・ウエフ号の船体が、すーっと闇に吸いこまれてみえなくなった。
(いかん)
と、ユニオン号船将中島四郎は狼狽し、さらに信号を送り、
−ゴブジヲイノル。
と、三度発したが、応答はなかった。
(中略)
ワイル・ウエフ号の生き残りの隊士で下級士官をつとめていた浦田運次郎の話によれば、船は五島列島の方角に流されていたらしい。
風浪はいよいよ強まり、ワイル・ウエフ号はマストを斧でたたき切って転覆をふせごうとしたがついに防げず、左舷から押しよせた山のような波によって転覆した。
みな海中にほうり出され、浦田ら三人だけが塩野崎海浜に泳ぎついたが、あとはことごとく溺死した。
夜が明けて波が静まるとともにユニオン号は海上捜索をはじめ、ついにワイル・ウエフ号の残骸を発見し、水死体の収容につとめたところ、池内蔵太のみはなお船橋にあって死んでいた。海技未熟ながらも、その最期だけはいかにも船将らしいものだった。
(中略)
池内蔵太、名は定勝。
高知城下小高坂の人。没年二十六。

司馬遼太郎竜馬がゆく』4巻“怒濤篇”(文藝春秋)より抜粋

合掌(涙)。
お元(蒼井優)とのエピはとってつけた感ありあり。もう少し前に1つくらい伏線つくっときゃいいのに。まあ私の見落としかもしれませんが…。


オテントサマ号の夜襲はあれだけ?。せっかくの高杉(伊勢谷友介)の見せ場なんだから次回にもうちょい時間とってほしいわ。

*1:ドラゴンボールは天逆鉾が元ネタなんでしょうけど。