NHKBSプレミアム 『新選組血風録』#6 “沖田総司の恋” 18:45〜19:30

「勇み足だったか」by近藤勇宅間孝行
飴なめてる近藤勇足を思い出してしまったのは私だけでしょうか。ちなみに一番好きなのは龍宝。彼登場後、鳴戸さんからシフト(爆)。斉藤始も捨てがたいんですが…。この2行、わかるひとにはわかる。
ま、戯言は置いといて。
沖田総司の恋”と“前髪の惣三郎”のミックスはどうなることかと思ったけど、結構巧くまとめられてました。NHKで、ドロドロネットリの原作の惣三郎の件をまるっと1話でやるわけにはいきませんからね。総司(辻本祐樹)の青春の通過儀礼と、剣と命との葛藤に惣三郎(佐藤永典)を織り込んだのは秀逸。更に隙間に(失礼)山南さん(松下哲)のあれこれも絡ませて、あっさりナレーションで済ませたのも秀逸。山南さん切腹は原作に出てきませんもん。ヤボなオリジナル出さなかったのはホント秀逸。
以前「原作もういいや」とか書いちゃったけど、これがなかなか原作の雰囲気に近づいてきたんじゃないかと。
近藤・土方(永井大)・総司の3人のシーンとかね。土方が山崎(加藤虎ノ介)を退がらせたとこの。

近藤にとっても土方にしても、沖田は実の弟のような気がする。現実、どちらも末弟のうまれで、弟というものをもたなかったから、そういう実感でいた。
(中略)
あくまでもたがいに、周斎の弟子である。それだけにこの四人は、三多摩気質のいわば朋党根性がつよく、ちょっと同時代の、他の武士の仲間にはみられない「友情」があった。筆者の余計な差し出口だが、「友情」というのは当時そういう言葉もない。明治以後に輸入した道徳だし、概念であった。当時は「忠孝」というタテの関係のモラルが男子の絶対の道徳である。しかし「友情」は現実には存在した。上州、武州の若い連中のあいだでとくにその色彩が濃厚であった。が、「友情」とか、「友愛」とかとはいわない。
−義兄弟。
という。この同流儀の四人は、たがいに義兄弟のつもりでいた。

あとここもねー。永井君良かったよ。原作未読者には「?」なシーンだったかもしれませんが(苦笑)。

(惣三郎め、美男すぎた。男どもに弄られているあいだに、化け物が棲み込んだのだろう)
土方は、和泉守兼定の鯉口を、そっと左手の指でゆるめた。
抜きうちに、斬った。おさめた。桜の若木が、梢で天を掃いて倒れた。
胸中の何を斬ったのか、当の土方自身にもわからない。

司馬遼太郎新選組血風録』(中央公論社)“前髪の惣三郎”より抜粋

惣三郎役の子はテニミュ出身なんだねえ。オットが京サマ系やなと言っておりました(笑)。いや、妖しい感じは十分にあったので文句はないっすよ。しかしなんだね。惣三郎の手とか指とかね。何故その手をどけない総司!何故握る!唇を指で触れられてそんな冷静にああた(何)、とひとりひゃっほう状態でしたよ(莫迦)。