演出:栗山民也
音楽:中村友子(マリンバ)
出演:木村佳乃/山本耕史/段田安則
行ってきました。寝なかったぞー(おいおい)。
マリンバの優しい音色が響く中、宮沢賢治が紡いだ珠玉の言葉が浮遊する。
素敵な舞台でした。他の組合せでも観てみたかったです。
舞台奥にマリンバ演奏の中村さん。前方の大きなテーブルを囲んで、上手に耕史君、センターに佳乃ちゃん、下手に段田さんが着席。時には立っての朗読もありました。
- 注文の多い料理店 序−3人*1
- 春と修羅 序−段田さん*2
- 林と思想−耕史君*3
- 注文の多い料理店−ト書き:佳乃ちゃん、紳士たち・その他:段田さん/耕史君*4
- 今回の朗読で唯一会場から笑いが。紳士たちを演じる2人の会話でね。
- 耕史君が台詞の合間合間に段田さんにアイコンタクト。カワユス。極めつけは段田さんの「こんなとこで、案外ぼくらは、貴族とちかづきになるかも知れないよ」の台詞が終わるか終らないかのとこで、絶妙のタイミングで耕史君がにまっと笑顔でアイコンタクト。段田さんが耕史君と視線を合わせたかどうか不明。耕史君しか見ちょらんかった(爆)。
- どこをどう間違ったのか、わたくしずっと紳士たちは食べられてしまったと思っておりました。したら同行の友もそう思っておりました。よかったー(よくない)*5。
- 何と云はれても−段田さん*6
- よだかの星−ト書き:耕史君、よだか:佳乃ちゃん、その他:段田さん*7
- 春と修羅(mental sketch modifid)−段田さん*8
- 短歌(まぼろしとうつつとわかずなみがしら/きほい寄せ来るわだつみを見き)
- 短歌(あヽこはこれいづちの河のけしきぞや/人と死びととむれながれたり)
- 短歌(地に倒れ/かくもなげくを/こころなく/ひためぐり行くか/しろがねの月)
- 短歌は誰が何を詠んだか忘れてしまいました(汗)。下の4つもうろ覚え(汗汗)
- 永訣の朝−佳乃ちゃん、段田さん*9
- 普通、男性が賢治で女性が妹担当だと思うんだけど、逆でした。段田さんがか弱い声で「あめゆじゅとてちてけんじゃ」とつぶやく。哀しや。
- 短歌(双子座の/あはきひかりは/またわれに/告げて顫いぬ/水いろのうれい)−耕史君、だったと思う
- 星めぐりの歌*10
- 可愛い歌声が流れる中、舞台は暗転して一面の星。星座を探してしまいました。亡くなった人々の魂があの銀河の彼方にあるのでしょう。
- 短歌(なつかしき/地球はいづこ/いまははや/ふせど仰げどありかもわかず)−耕史君
- 短歌(ある星は/そらの微塵のただなかに/ものを思はずひためぐり行く)
- 短歌(ある星は/われのみひとり大空を/うたがい行くとなみだぐみたり)
- 雨ニモマケズ−耕史君*11
- 友たちが「磐音さんだよね」と。賢治がこれを書いたのは35歳の時。
- 稲作挿話−佳乃ちゃん*12
- 「ポラーノの広場」より−3人*13
- これがすごく心に残りました。下記に朗読部分を抜粋。
- 報告−3人*14
「そうだ、ぼくらはみんなで一生けん命ポラーノの広場をさがしたんだ。けれども、やっとのことでそれをさがすと、それは選挙につかう酒盛りだった。けれども、むかしのほんとうのポラーノの広場はまだどこかにあるような気がしてぼくは仕方ない。」
「だからぼくらは、ぼくらの手でこれからそれを拵えようでないか。」
「そうだ、あんな卑怯な、みっともない、わざとじぶんをごまかすような、そんなポラーノの広場でなく、そこへ夜行って歌えば、またそこで風を吸えば、もう元気がついてあしたの仕事中からだいっぱい勢がよくて面白いような、そういうポラーノの広場をぼくらはみんなでこさえよう。」
「ぼくはきっとできるとおもう。なぜならぼくらがそれをいまかんがえているのだから。」
虚栄、虚飾、僑慢。人類ある限り、ひとが持ち続けるであろう心の鎧。それを必要としない世界が本当に素晴らしいのか私にはわかりませんが、イーハトーヴを目指そうとする気持ちを大切にしたいと思いました。
1896年(明治29年)の明治三陸地震*15の年に生まれ、1933年(昭和8年)の昭和三陸地震*16の年に亡くなった宮沢賢治。そして去年の東日本大震災。耕史君目当てとはいえ(汗)、東北の自然の中に生きた賢治が遺した言葉に耳を傾ける良い機会となりました。
P.S.前後にご一緒させていただいた方々、ありがとうございました。Nさん、Hさん、Dさんはチラリ挨拶ですんません〜。
*1:http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/43736_17656.html
*2:http://why.kenji.ne.jp/haruto/100jo.html
*3:http://why.kenji.ne.jp/haruto/123hayas.html
*4:http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/43754_17659.html
*5:私は宮沢賢治は完全に門外漢。そりゃ、『雨ニモマケズ』とか『永訣の朝』はわかりますけども。
*6:http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/47029_46743.html←一〇五四(一九二七、五、三)
*7:http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/473_42318.html
*8:http://why.kenji.ne.jp/haruto/109harut.html
*9:http://why.kenji.ne.jp/haruto/147eiket.html
*10:録音(歌唱:鴨志田智愛@スマイルカンパニー http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/46268_23911.html
*11:http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/45630_23908.html
*12:http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/47028_46742.html←一〇八二〔あすこの田はねえ〕。 初出が同人雑誌「聖燈」第1号(1928年3月8日)で、このときのタイトルが“稲作挿話”だったそうな。『春と修羅 第三集』収録時に“あすこの田はねえ”。
*13:http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/1935_19925.html “六、風と草穂”から抜粋