『ボストン美術館 日本美術の至宝』前期@名古屋ボストン美術館

http://www.boston-nippon.jp/
http://www.nagoya-boston.or.jp/boston-nippon/
名古屋ボストン美術館HPの展覧会の見所の一番下に、“第一章の仏像、及び第六章の作品は、名古屋ボストン美術館には出品されません。”と表記。
名古屋ボストン美術館なのになんてないがしろ。第一章の仏像は図録で見れるけど、第六章は載ってないのよ。第六章は東博だけだから、すでに東博の展覧会公式からも削除されてる始末(爆)。キャッシュで探しちゃったよ。
http://www.boston-nippon.jp/highlight/06.html
元禄小袖とか鎌倉期の刀剣とか観たかったなあ。今確認したら、『時空旅人』の特集に刀剣五口と小袖類五領が載ってた。第六章はこれで全部?。第一章の仏像四体と合わせても、前期後期で展示を分けれられなかったんだろうか。名古屋ボストン狭いんだよね。今回どでかい『雲龍図』があるもんだからよけいに狭くなっている。「絵画系以外の保険料が高くて払えんかったんちゃうか?」とオット談。経営難名古屋ボストンならありえない話ではない(爆)。
で、とにかく東博のように広くないので、通し展示は『雲龍図』のみで、あとは全入れ替え。目玉の『吉備大臣入唐絵巻』と『平治物語絵巻』も半分ずつの展示。空飛ぶ吉備真備阿倍仲麻呂とか、薙刀に括り付けられた大江家仲と平泰忠の首とかまだ観てないんですよ。巻物展示はこういうこと多いけど、今回は一気に観たかった。
でも

三条殿のありさま申もをろか也。門々をば兵どもかためたるに、所々に火あげたり。猛火虚空にみちて、暴風煙雲をあぐ。公卿殿上人、つぼねの女房たちにいたるまで、是も信西が一族にてやあるらんとて、射ふせきりころせば、火にやけじといづれば矢にあたり、矢にあたらじとかへれば火にやけ、箭におそれ、火をはゞかるたぐひは、井にこそおほくとびいりけれ。それもしばらくの事にて、下なるは水におぼれ、中なるはともにをされて死し、うへは火にこそやけけれ。

平治物語』巻之一 “三條殿発並びに信西の宿所焼き払ふ事”

の描写は容赦なくてさすがに素晴らしい。絵巻や浮世絵の合戦シーンが大好きなのです。押し合いへし合い馬も人も入り乱れて、上を下への大騒ぎ。いや、現場の皆さんは大騒ぎとか言ってられなかったでしょうけど(爆)。宮崎アニメのモブシーンが好きな理由はこれだな。え?あれ?違う違う。宮崎アニメが先。『カリオストロの城』観に行ったのは小6ん時だ。小6で「絵巻物の合戦好きー♡」はなかろうて(笑)。
全長10mの蕭白の『雲龍図』はやはり圧巻。この筆致やスケールは人界の荒海や風雨の中じゃなくて、成層圏なんぞ飛び越えて宇宙で浮かんでそうだ。うん、『ドラゴンボール』の神龍レベルです。これでも間の胴体部分が抜けてるとか、実は龍が二頭いたんじゃないかとかで、もしそれらが現存してたら、館員の方々が展示に苦心するんだろうなあと要らん心配したり(笑)。
『法華堂根本曼荼羅図』は国宝『綴織当麻曼荼羅図』より小さいけどの八世紀の曼荼羅つーだけで、確実に国宝ですわ。国宝というからには、国内にないとダメでしょうけど、“在外国宝”みたいなカテゴリー作ってもいいんじゃないのかな。NHKで『知られざる在外秘宝』なんて番組もやっちゃうわけだし。http://d.hatena.ne.jp/moonblue/20110401/p1
ちょっと探ってみたらこんな記事が。http://blog.livedoor.jp/kinnyuuronnsawa/archives/50933312.html
青山氏が書かれた新聞記事が1987年。ブログの記事は2007年。そして2012年の今、何も起こっていないようです。
後期展は9月29日から。光琳『松島図屏風』と若冲『鸚鵡図』を楽しみにしております。


余話。グッズを少し買いました。オットは額絵雲龍図4枚セットとはんこ(雲龍図)とガチャガチャ(松島図が出ました)。私は雲龍図てぬぐいとチャーム付きペンケース。鸚鵡か麝香猫か迷ったけど、若冲の鸚鵡に軍配。白い鸚鵡だし………ということに気付いたのが帰宅してからというのはナイミツにな(爆)。
http://www.boston-nippon.jp/goods/02.html