NHKBSプレミアム 『平清盛』#27 “宿命の対決” 18:00〜18:45

録画済。


なんだかんだで、結局前回分も追記に至らず放置。もう「追記予定」とか書くのやめよう(爆)。
頼長(山本耕史)亡き後、楽しみにしてたのが重盛役の窪田君。初登場から数話経ってて今更ですが、やっぱ彼は良いですわー。期待通り、いや期待以上です。演技抜群だし殺陣も巧いしね。あっ殺陣の出来る若い子いたじゃん。『十三人の刺客』で血まみれ泥まみれで頑張ってたのに忘れてるとわ(汗)。まあとにかく、今後も楽しみにしております。“殿下乗合事件”とかどんな風に描かれるんだろ。……て、や、やるよね?。平氏パートだから摂関家みたいに撮ったけどカットとかつーことはないよね?。
今回、冒頭から“主上六波羅行幸の事”までどきどきわくわくでした。旗取ったもん勝ちというのがよくわかったのではないかと思います。いわゆる“錦の御旗”ね*1。そして勅命。
「太宰の大弐清盛。賊を討伐せよ!」
不思議なことに、日本の大和王朝は一度も斃されることなく連綿と続いてるんですよね。

要するに「触らぬ神に祟りなし」という幻想を生み出したことで、目に見えぬ鎧をまとい、氏をもたず、族に属さず、人間社会から離脱し、時代の権力者たちの権威の象徴として、その存在を形成していたことが、天皇家が今日までつづいた要因となっていたのである。もちろん、長い歴史のなかで、何も起こらずに、天皇家が存続したわけではなかった。奈良時代にはすでに、「天皇になろうとした男」は登場している。
(中略)
その後も、天皇家藤原氏を中心とする貴族(俗権力)の暗闘はつづき、平安時代以降、こんどは逆に、退位した天皇が「上皇」となって、政治支配を目論むようになる。彼らは出家し熊野にしきりに詣で、修験道が生み出した「呪験力」をもって、人間界に君臨しようと目論んだのだった。
この点、天皇にとっての出家とは、「還俗」を意味していたのかもしれず、またいっぽうで、上皇たちが「飾り物としての天皇」を崩さなかったところに、話の妙があろう。彼らは「祟る天皇」という幻想を、かろうじて守り抜いたのである。そしてこのように受け継がれてきた幻想が、明治維新のシンボルとして利用され、西欧列強の植民地支配の野望から日本を救い、その逆に、日本を奈落の底に導くことにも利用されたわけである。
天皇」の存在に対しては、戦争を挟んで、賛否両論であるが、古代からの伝統を唯一守っているという意味からいえば「天皇」は失ってはならない日本の「財産」と考えられる。そして、万一「天皇」の効用を利用しようなどと思えばひどいやけどを負うことを、古代から近代に至る悲惨な戦争の結果が示している。これからの世紀を生きるものに、権力というものがいかに幻想の上に成りたっているかを歴史が教えているのではないだろうか。

梅澤恵美子『天皇家はなぜ続いたのか』(ベスト新書)より抜粋

*1:平安時代にはまだありませんでしたが。