『大須観音展』@名古屋市博物館

http://www.museum.city.nagoya.jp/tenji121201.html
展示物が仏書や典籍類といった紙に墨で書かれたものが殆どで、ビジュアル的には超地味な展覧会ですけど、歴史的には超貴重な文書の数々を堪能。全国レベルでは無名に近い大須観音に、なんでそんな貴重なもんが一万点もあるのかという経緯が非常にわかりやすく展示されておりました。
展示を観ていて強く思ったのは、紙は大切に使おうということ。いやマジで(笑)。紙背文書という、現代で言えば裏紙を利用した文書ですな。ここからわかることが山ほどあるそうな。昔は紙が貴重だったので、役所の公文書でさえリサイクル。正倉院文書もリサイクル用紙利用だったり、702年の諸国戸籍が東大寺の写経料紙に払い下げられたり。あとはちょっとした落書きとか、装丁時に隠れてしまった奥書とか*1
現代のオフィスだと、プリントアウトしたものを不要になって廃棄して、データ自体も消して、実はまだ要るもので慌ててデータ作り直してると、ふいに裏紙の中から元のデータのが出てきてひゃっほう!、とかないですか?(爆)。私ではないんですけど、社員でそういう方がいて、時々大迷惑。だってそのデータ作り直すの私ですから。そういうことが何回かあったので、最近はどんなに要らないと言われても内緒でUSBに保存しております。一番の疑問はデータをやたら削除したがること(爆)。
違う話になってしまったわ(汗)。
紙背とは趣が変わるけど、屏風の内張りに隠された秘密の文書が重要な役割を果たすミステリーがありますね。横溝正史の『八つ墓村』という傑作です。

*1:これが最古の『古事記』写本認定の決定打に。