NHKBSプレミアム 『皇室の宝 第1夜 日本の危機を救った男たち』 19:00〜20:00

録画済。

宝石のように輝く七宝、再現不可能とされる謎の金属置物。明治以降、皇室が収集してきた究極のコレクションが京都に集結している。そんな名品ぞろいの展覧会を取材することになったのは新人ディレクターの宮崎京子(栗山千明)。静まり返った会場で不思議な光景を目にする。なんと作品たちが動き出したのだ!。美術品に託された国家の命運、かつて日本の危機を救った職人たち。作品たちが物語る秘話に次第にのめり込んでゆく。

NHK 番組表より

http://k-meihin.exhn.jp/
これって再放送だっけ?。開催期間が去年の11/9から今年の1/13までの展覧会のPR兼ねてるなら、放映が遅すぎるんでは?。展覧会が盛況ならどうでもいいことですけども。
たいした産業もない明治期の日本。富国強兵のための外貨獲得方法のひとつが、美術工芸品のレベルを磨いて海外で売りさばくこと。政府や皇室の要求に必死に応える職人たち。彼らの涙ぐましい努力の結晶の作品群の輝きに溜息が出るばかりです。
漆黒の表現の難しさは色々見てきましたが、七宝焼きでも至難の技なんですねえ。テレビ画面に始まり、西洋が求めたピアノブラック。コアなとこでは若冲の版画の黒。江戸時代に彼が生み出した黒が、現代では表現できないのだそうです*1
美しい極彩色ながら複雑な花鳥風月を際立たせるための、並河靖之の七宝の黒一色。柳宗悦の言葉を思い出しました。

複雑なものに美があるなら、単純なものには一層の美がある。正しき一切の工芸はこのことを左証するではないか。かつて単純の要素を欠いた所に美があったであろうか。そうして無限の単純の中に無限の美を盛り得るという可能は既に驚きではないか。

柳宗悦『工藝の道』(講談社学術文庫)より抜粋


余話。蘭稜王の蘭ちゃん(笑)。動くやつ欲しいわー(無理)。

*1:以前NHKで放送された、『若冲ラクルワールド』というドキュメンタリーの中で、試行錯誤されてました。