NHKBSプレミアム 『皇室の宝 第2夜 世界が認めたジャパン・パワー』 19:00〜20:00

録画済。

宝石のように輝く七宝、再現不可能とされる謎の金属置物。明治以降、皇室が収集してきた究極のコレクションが京都に集結している。そんな名品ぞろいの展覧会を取材することになったのは新人ディレクターの宮崎京子(栗山千明)。静まり返った会場で不思議な光景を目にする。なんと作品たちが動き出したのだ!。美術品に託された国家の命運、かつて日本の危機を救った職人たち。作品たちが物語る秘話に次第にのめり込んでゆく。

NHK 番組表より

http://k-meihin.exhn.jp/
蘭ちゃん…もとい、海野勝萊の蘭陵王。高さ35cm、重さ4.5kg。数百に及ぶパーツから成り、金属加工のありとあらゆる技が結集された金属工芸の最高傑作。その構造は、制作後120年以上経た今でも謎。現代の名工が「人間業ではない」と言い再現不可能と。海野勝萊は明治の廃刀令に伴い職を失いかけた鍔師だから、ケガの功名と言うべきか(爆)。
明治政府が技術者たちに求めた、富国強兵・外貨獲得のための美術工芸品のレベルアップ。一時期その隆盛を見るも、産業が充実し、家内制手工業のオートクチュールから、大量生産のプレタポルテに移行していくとともに、皇室等一部の人々の目にしか触れなくなり、時代から取り残されていく超絶技巧。なんとも皮肉な……。欧米列強に追いつけ追い越せと躍起の日本に対して、同時期の西洋では逆に、ジャポネズリーからジャポニズムブームというのも更なる皮肉。
千明ちゃんが美術番組制作ディレクター役として展覧会を紹介する番組を作る、という構成は良かったです。ただ、180点近い出品リストを見るにつけ、たった2回ではなあ、という感じ。展覧会のテーマが六章もあるんだから、せめて二章ずつ3回は欲しかった。