NHK教育 『日曜美術館』 江戸の肖像画〜広重「名所江戸百景」〜 9:00〜9:45

録画済。

風景画の中に、巨大都市・江戸の風俗や暮らしをふんだんに描き込み、“江戸の肖像画”と呼ばれる歌川広重の『名所江戸百景』。全部で119景、浮世絵史上最大のシリーズで、晩年の広重がこん身の力を振り絞った大作である。ここには、祭や花見、花火など江戸を彩る行事だけではなく、初ガツオに目がない江戸っ子気質や、富士塚を作って富士山を拝んだ江戸っ子の信仰心まで盛り込まれている。
『名所江戸百景』の人気の大きな要因は、クローズアップを駆使した大胆な構図。広重はユニークな手法でその構図を生み出し、遠近法の高度な技でリアルな絵に仕上げた。また、近年、彫師や摺師たちが行った『名所江戸百景』の復刻事業によって、雨や雪などの天気の移ろい、月明かりなど風景を彩る情緒が、難しいすりの技からきていることが分かった。江戸情緒を醸すため広重が使った隠し技も明らかにしながら、『名所江戸百景』の魅力を堪能する。
【出演】法政大学教授:田中優子国立歴史民俗博物館副館長:大久保純一/東京伝統木版画工芸協同組合理事長:高橋由貴子/美術家:有坂蓉子/ももんじ屋店主:吉田龍一/彫師:渡辺秀次/摺師:吉田秀男,高橋秀一/江戸太神楽:丸一仙翁社中
【司会】井浦新伊東敏恵

NHK 番組HPより

のっけから新君の和服姿にヤラれる(爆)。上は薄い麹塵っぽく袴は榛っぽい色。よう似合うてはるわあ。袖口から裏地のチラ見えで素敵。お正月から眼福をありがとうございます。
以前観た、同局のハイビジョン特集『時空の絵師・歌川広重〜名所江戸百景の謎〜』とは違った視点の構成で面白かったです。前のは、広重がこの作品を描くに至った背景や想いが中心。今回は技術面。
『名所江戸百景』のマイベスト“浅草田甫酉の町詣”(左)の、猫のとこだけぽっこりエンボス加工とは!。“佃しま住吉の祭”の真ん中の幟の部分に布を当てて摺って、出来上がった版画に布目出すとは!。後は、他の浮世絵の一部を切り取ってクローズアップしたり*1、同じく他の浮世絵の視点を少しずらして奥行を出したり*2。あ、これは前にどっかの展覧会で説明されてた気がする。
数年前にフルスペックの復刻版が出たそうで。
http://www.mainichi-art.co.jp/pages/arcadelinks/edo100/index.html
庶民をあざ笑う126万円。車買えるがな。残り15セットですって。庶民は下記の本で我慢さね。

浮世絵「名所江戸百景」復刻物語

浮世絵「名所江戸百景」復刻物語


余話。富士塚の映像はどっかで見た記憶があって調べたら『ブラタモリ』でした。場所違うけども。『ブラタモリ』では鳩森八幡神社千駄ヶ谷富士。今回は小野照崎神社の下谷坂本富士。http://www7b.biglobe.ne.jp/~fujisan60679/fujiduka.html

*1:“高輪うしまち”http://www.mainichi-art.co.jp/pages/arcadelinks/edo100/images/t81b.jpg/元は国芳の『東都風景高輪虹蜺』らしいけど画像検索しても見つからん(-_-;) 

*2:神田紺屋町http://www.mainichi-art.co.jp/pages/arcadelinks/edo100/images/t75b.jpg/元は北斎富嶽百景』の“紺屋町不二”。これも画像情報乏しく…。