NHKBSプレミアム 『軍師官兵衛』#33 “傷だらけの魂” 18:00〜18:45

録画済。


道薫(田中哲司)ここで退場か……。
戦国モノでここまで荒木村重が出張るのは珍しい。主人公が官兵衛ならではだよね。信長没後の村重と秀吉との関係をもう少し描いてもよかったんじゃないかとも思うけど、そうなると主人公の影が薄くなるのでまあいいか(爆)。 
司馬さんは『播磨灘物語』で描けなかった村重を『鬼灯』という戯曲で描いてます。

村重 「聞いておきたい。わしのような男に、何の価値が…おぬしにとってどんな利用すべき価値が…あるのか」
秀吉 「そのことか。いまこの秀吉は、突如、世の舞台に出た。疑わしや、世の人はそう思っている。どういう心の、何を仕出かす男か、疑心に満ちてわしを見つめている。それらがみな、わしを嶮しい男とみて敵にまわれば、いかなわしでも天下を丸めることはできぬ。わしは光秀だけは許さなんだが、信長公から嫌われた者、信長公の敵にまわった者…すべて許す。その証拠を、世にむかって示さねばならぬ。それには、おぬしのような男。信長公をあれほど憤らせたばかりか、世の非難を一身に浴びている男。天人俱に許しがたいと見られておる男。そういう男を、わしが許し、わしの咄衆に加え、ゆくゆくは一万石ほどの捨て扶持をあたえ、大名の品位を保たせて悠々自適させれば、世間は、津々浦々のすみずみにいたるまで、この秀吉という男がいかに心の寛い、いかに罪科に対して優しみのある男であるかということがゆきわたるであろう。摂州よ、おぬしには価値がある、そのままで、万石の価値がある」
竹阿弥(村重従者) 「人間の世の中で……もっともおそろしいものを……見てしまった。救われようのないあの人が……何と……政治というものに……救われるのか」

司馬遼太郎『花の館・鬼灯』(中公文庫)“鬼灯”より抜粋

官兵衛(岡田准一)がキリシタンに。唐突感が否めない(汗)。
司馬さんはさすがにこの部分はもっと丁寧に描いていた。入信時期は通説よりずいぶん早い時期に設定されてて、官兵衛が家督継ぐ前ですけども。今太河は、死してなお生者に影響するだし様(桐谷美玲)と、右近(生田斗真)の美しい微笑みが成せる勧誘力の高さにて入信、にしか見えへんやん。