この夏、日本各地の海水浴場にサメが現れ、騒動を巻き起こした。そのサメの中でも最も恐れられているのがホホジロザメ。体長は最大で6メートル、体重3トン。飛び出すアゴに鋭い歯。映画「ジョーズ」のモデルとなり世界中を震撼させた巨大ザメだ。
調査には危険が伴うため、これまでその生態は謎に包まれていた。しかし、発信機の装着調査などから獲物を求めて世界中の海を大回遊し、その巨体からは想像できない知的で効率的な狩りをしていることがわかってきた。そうした生態を明らかにしてきたのが、アメリカ人、グレゴリー・スコマル博士。最近、人間では観察不可能な行動をとらえようと画期的な観察装置を開発した。それはシャークカムと名づけられた魚雷の形をしたロボットカメラ。なんとサメに取り付けた発信器からの信号をキャッチし、自動的に追いかけ撮影を行うという試みだ。足かけ2年にもおよぶ調査の結果、シャークカムはついに、ホホジロザメが水中で獲物を襲う姿をとらえることに成功した。番組では、シャークカムがとらえた世界初の貴重な映像とNHKが海上と水中から撮影した狩りの瞬間のハイスピード映像を駆使し、これまでのイメージを覆す新しい「ジョーズ」像を描き出す。