NHKBSプレミアム 『真田丸』#16 “表裏” 18:00〜18:45

録画済。


馬廻になったからには御城中の配置ぐらい覚えておけ」
密談聞いとけと言わんばかりの(爆)。
なんだかんだ言って親切なひとなんだよ三成(山本耕史)。真田と徳川の件、ちゃんと説明してくれたし、自分ちに泊めてくれてるし(そこか)。ま、わかりにくいけどさ。
「大坂の事親に知らせるのは構わんが、何でもかんでも書いてよいというものではない」
うわあああああ三成のとこで止まって良かったねええええええ源次郎(堺雅人)。

徳川氏は、その治世二世紀あまりを通じて石田三成を奸人としつづけた。そうすることによって豊臣家の権力をうばった徳川氏の立場を正当化しようとした。幕府の御用学者、諸藩の学者も、三成に対し奸人以外の評価をくわえることをおそれ、それをしなかった。ただひとり、水戸黄門でしられている徳川光圀のみが、その言行録「桃源遺事」のなかで、
「石田治部少輔三成はにくからざるものである。人おのおのその主人の為にはかるというのは当然なことで、徳川の敵であるといってもにくむべきではない。君臣ともに心得るべきことである」
と語っているのが、唯一の例外といっていい。たった一人の人物を、その権力が二百数十年にわたって憎みつづけ、根気よく悪神の祭壇にかけつづけた、という例は、日本ではめずらしい。

司馬遼太郎関ヶ原』(新潮社)“密約”より抜粋

利休(桂文枝)の商人描写は珍しいかも。ていうかそこ描かないと利休と三成の対立構造がまるで陳腐でね。官兵衛の時はできてませんでした。そういや何か書いたな→http://d.hatena.ne.jp/moonblue/20140928/p1
あれ?今回官兵衛と長政出ないんかな。
寧(鈴木京香)は秀吉にとって「そもじのみは、べつのうちのべつである」ということで(わかるひとにはわかる)。
「あのお方は哀しむのをやめたのです」
凡百の脚本家は、ここで大蔵卿局峯村リエ)に茶々(竹内結子)のこれまでの人生をがっつり語らせるんだよね、絶対。そんなん白けることこのうえない。三谷さんの自信と視聴者への信頼の大きさと強さに感謝。わからん視聴者は文句言う前にggrks。
秀長(千葉哲也)の“大和宰相”って聞いたことあったかな。参議の時期が短かったから、官職名で呼ばれるときはほぼ大納言だったと思う。任官時期無視で(爆)。にしても千葉さんいい役貰ったなあ。舞台だと超カッコイイのに、映像はきっつい役多いもんね(『平成猿蟹合戦図』は良かったよー)。以前、堤さんが「セクシーだと思う役者さんは、古田新太さんと千葉哲也さん」って言ってて激同だった。今回は残念ながらそれ無しだわー。ついでに殺陣も素敵なのにそれも無しだわー。
司馬さんは、秀吉が秀長を竹中半兵衛に預けて教育を頼んだとしています。

「申しおきたいことがござる」と、墨股以来の従順な弟子のためにすでにかぼそくなっている息をふりしぼった。
「身の安全を期せられよ。兵法の究極の極意は、それでござる」
半兵衛の心配は、小一郎の評判が大いに騰がっていることであった。騰がれば、自然、心もおごる。傲岸になり、他の武将のうらみを買い、どのような告げ口を筑州殿にせぬともかぎらぬ。功を樹てればすべてそれを配下の将にゆずりなされ。諸将は功名をたてることによってのみ世に立っているが、あなたはたとえ功なくとも筑州殿の弟君でることにかわりがない。
「いままでも、そうなされてきた」
と、半兵衛は、あらためて小一郎のこの十数年の業歴をほめた。
(中略)
しかし、これからはどうかわからない。とくにこの播州路での小一郎の働きのめざましさと評判は、かれの人柄をあるいは変えてしまうかもしれず、半兵衛はそれをおそれた。
「影のようになりなされ」
と、最後にいった。(中略)それ以外にあなた様が世にある場所がない、兵法の極意はついにはわが身を韜晦することにある、よろしいか、と半兵衛は念を押した。
小一郎は異を立てず、素直にうなずき、
「よう申してくれた」
と、涙をためて礼をいった。

司馬遼太郎『豊臣家の人々』(角川文庫)“大和大納言”より抜粋

それでもこの後、2回程、ちょっとだけ反発。というか主張。2回目が四国征伐の時なので終わってますけど、そら言いたくもなるわな。
サブタイの“表裏”。そんなものなさげな秀長にだってある、というか持たざるを得ない。やはりそんなものなさげな寧のこれからだってね。昌幸(草刈正雄)の表裏比興がわかりやすくって好感が持てるくらいの伏魔殿大坂城。唯一、自分を偽らず身の丈のまま素直にストレートに生きてるのがきりちゃん(長澤まさみ)。ちゃっかり寧の侍女にって、強いわ(笑)。
ツイより。

https://twitter.com/kanadorama/status/724193817709047808
#真田丸 虎之助…こんな汚れ仕事のためにパイセンの死んだ目が必要だったのね…わかったわ…いまわかったわ…

酔っぱであんなカワイかったのにねえ。通常運転の新井君になっちゃった(汗)。権力者は直接「殺せ」なんて言わないんだよな。
もひとつ。

https://twitter.com/kazumaru_cf/status/724208041671819264
大坂編作成にあたって、信繁が「馬廻」であることがギリギリで判明したのは、本当に助かりました。「馬廻」なら、警護役という立場で重要なシーンに遭遇しても、「あり得るかもしれない」話が作れるからです。

これは凄いわ。上げ潮じゃー!上げ潮じゃー!。


余話1。秀吉の「佐吉」呼び。今回初めてだよね?。身内と子飼いの時だけっぽい。市松も虎之助も。
余話2。名実ともに癒しパートの徳川家(笑)。稲姫(吉田羊)いいわー。