NHKBSプレミアム 『真田丸』#31 “終焉” 18:00〜18:45

録画済。


あの血塗れの少年は万福丸?。
て、初見の疑問解決。公式インタにあるとのことで読みましたら、ちゃんと「万福丸」でした。

https://twitter.com/karbo_zakky/status/762256301879468032
秀吉の見た少年は小日向さんのインタビューによると 茶々の兄で自分が死を命じた万福丸なのか… #真田丸 
http://www.nhk.or.jp/sanadamaru/special/interview/interview41.html

これいつ出たんでしょ?。つーかこういうのほとんど見ないんで(そういやガイドブック後半買ってないわ/汗)、何か色々見落としてるのかもしれんし、感想記事に落ち度がありましたら何卒ご容赦。


「生き延びられればよいと思うておるうちにここまで来た。戦は大嫌いじゃ。間違いなく勝てる戦などどこにもない。伊賀越えは一度でたくさん。戦場で命からがら逃げ惑うのはもう御免じゃ」
これを源次郎(堺雅人)の前で言うかね家康(内野聖陽)。わかるひとにはわかる。
あと、ダメ大河定番の「戦は嫌でございます」を覇者徳川家康に堂々と言わせる三谷さんてばもう。
歴史にIfはないけれど、家康が源次郎に言ったことを三成(山本耕史)に言ってくれてたら、逆に、三成が源次郎や刑部(片岡愛之助)に頭下げる前に家康に頭下げていたら、関ヶ原は避けられたんじゃないかなあと思ったり。過去の歴史に、もうどうにもならない「別の道」を夢見させるドラマって、なかなかお目にかかれない気がします。それだけキャラが魅力的で、考えうる限りの可能性をぶっこんだ脚本に、視聴者が想像力を膨らませて描かれている以上の世界に広げていってるわけですよね。この手の作品を見るといつも思い出すのがこのツイ。

https://twitter.com/tkoujou/status/315657113680617472
歴史的な事件をすべて「理性的」に片付け、損得勘定で物事を割り切るような文章、論文なんていくらでも見た。歴史を動かしているのは、「人間」である。感情があり、単純であり複雑でもあり、知性があり短絡でもあり、暴虐であり、無償の奉仕も厭わぬこともある、「人間」なのである。

で、源次郎は家康が言ったことを三成に言わんのかと思うんだけども、あれはあくまでも“私的”な繰り言。それが家康の全てではないことも源次郎はわかってるだろうしね。


「私を外してもらいたい」
刑部の関ヶ原直前以前の様子を描いたドラマをあまり観たことがないので、この大河の刑部の何もかもが新鮮。五奉行から外れるくだりなんぞ皆無だったんじゃなかろうか。こういうシーンがあることによって、刑部が五奉行にいてくれたらつまりは元気だったら……という思いを三成クラスタはよりいっそう抱くわけですよね。
「治部殿の事じゃ。抜かりはあるまい」
抜かりなさ過ぎて用意周到過ぎてそれに足引っ張られることになりますけども(爆)。


昌幸(草刈正雄)の桃太郎異聞。武将の情操教育のお手本(違)。

https://twitter.com/Lazyrose_1999/status/762263277543960576
とりあえず真田パパンの「そんな桃太郎はきいたこともないような桃太郎伝説」を、いっそ小栗旬さん主演で2時間ドラマでどうかと激しく強く要望したい。え、NHKあてでいいのかな? #真田丸

凄い観たい。旬君桃太郎ということはペプシがどうしても絡むだろうから、NHKでは無理だよなあ。


秀吉(小日向文世)の遺言のくだり。両陣営ひでえ。
でも“追伸”を巧く利用した秀逸なシーンでした。

と、五人の大老の名前を書き、しばらく目をつぶっていたが、やがて追記のようなかたちで、
返々、秀より事、たのみ申候。五人のしゆ(衆)、たのみ申候。いさい(委細)五人の物(五奉行)に申しわたし候
と書き、にわかに、悲しみがこみあげてきたのであろう、涙をとめどなく流しながら、
なごりをしく候
と末尾に書き、書きおわるところりと筆を落とした。

司馬遼太郎関ヶ原』(新潮社)“秀吉の死”より抜粋

司馬さんは追伸をもちろんひとまとめにしてますけども、残っている史料を観れば、今回のように前後編ありでもまったくもって無問題。


秀秋(浅利陽介)は絶対やると思ったんだよね。こういう子なんだよね。気の毒と言えば気の毒なんだけど(苦笑)。ここに家康がいたってのがなんともはや。
「あーーーっ!」て漫画のようだった(誉めている)。
このふたりの“関ヶ原”どう描かれるんでしょうね。


「家康を殺せ」
秀吉何言ってんの。三成は、佐吉はあんた(失礼)が言ったら絶対なんだよ。「寂しい男でな」って源次郎に託しても遅いんだよ。家康も三成も乱世を望んでないのに、危うい状態でなんとか均衡を保ってたのに、今わの際にとんでもないことを。全部ぶち壊して死んだやん。
ただ、「寂しい」のは三成というより、家臣として一線を引いてた三成に対して秀吉が寂しく思ってたんじゃないかなあとも。ホントは虎之助(新井浩文)や市松(深水元基)のように佐吉にも家族の様に一緒に笑ってほしかったのかも。でもそうさせなかったのは秀吉だし、それでいいと三成は思ってたし、その点、ふたりの間には甘えがあったよね家族的なね。皮肉だね。
佐吉の水垢離*1。以前のように、虎之助と市松はいない。
豊臣氏長者関白太政大臣従一位豊臣朝臣秀吉に合掌。
超有名な辞世の句もなく、天下に花を咲かせた花神*2のたったひとりの寂しい死。

その秀吉が、最後の呼吸をひきとったのは、慶長三年八月十八日の夜であった。正確には何どきであったろう。この賑やかずきの英雄は、皮肉なことにたれにも気づかれることなく、いつのまにか死んでいた。
「あっ、おなくなりあそばされておりまする」
医官の曲直瀬法印が不覚の声をあげたのは、丑ノ刻(午前二時)すぎであった。法印があわてて秀吉の手をとると、血は冷えきっていた。
病室に詰めていた者は、この夜も十数人はいたろう。三成ほか、五奉行はそろって詰めていたが、たれも気付かなかった。

司馬遼太郎関ヶ原』(新潮社)“秀吉の死”より抜粋

秀吉危篤の枕頭に家康以下の家臣団が集まり、「秀頼を頼むのう秀頼を頼むのう」と言って息を引き取る……ていうテンプレはいつからなんだろ。司馬さんは『関ヶ原』で秀吉の死を描いたからか、その後の『新史太閤記』や『覇王の家』や『播磨灘物語』等ではほぼ1行で終了(爆)。


源三郎(大泉洋)の隠し子(違)騒動→家康暗殺計画→源三郎が忠勝(藤岡弘、)へのとりなしを頼みに徳川屋敷訪問→暗殺失敗の流れが見事。

https://twitter.com/yuiyuimaruru/status/762254959089823744
あの火遁の練習が伏線だなんて、誰も読めなかったよね。 #真田丸

これだから油断できないんだよ三谷さんは。
本多平八郎忠勝vs出浦昌相寺島進)は見応えありました。大河じゃないみたい(笑)。中の人たちは、片や武道家片や殺陣の達人。ノーカットで観たかったわ。

https://twitter.com/ray_hayaz/status/762267918797123584
今週の出浦様がまんまランバ・ラルみたいだなーと思って検索したら、同じ事考えてる人が大勢いたw #真田丸

そんなにいたのか(笑)。ランバ・ラルは死にますけどね。

*1:前回の水垢離同様、萌えるどころの話じゃないわ。見慣れてるし(そこじゃない)再び。

*2:花咲か爺さん。