NHKBSプレミアム 『真田丸』#49 “前夜” 18:00〜18:45

録画済。


黙れ小童!返し(拍手)。
室賀久太夫児嶋一哉)は思いっきり地元なのでちょっと複雑(苦笑)。結婚してこの地へ越してきて15年、毎年の初詣は彼が修造したと言われる八幡様でございます。

木村重成隊 六千(大坂城から若江村経由の街道・いまの近鉄奈良線沿線)
長曾我部盛親隊 五千三百(大坂城から久宝寺・八尾経由の街道・いまの近鉄大阪線沿線)
右の二個縦隊に、後藤又兵衛二千八百(いまの近鉄阿倍野線沿線)が加わって三個縦隊一万四千ばかりの兵が、大阪方が出した野戦用の決戦部隊である。
これにひきかえて家康方の兵力は三十万、そのすべてが野戦兵力であり、そのうち、この大坂方の三個縦隊にむかう兵力だけでも十万はくだらず、それをさらにしぼって直接に衝突する兵力だけでも五万はあるであろう。
大坂方の悲痛さは、その兵力の寡少さにあるだけではなかった。河内平野は草遠く水霞む平坦な地形であるとはいえ、この三個の縦隊が東進する三つの街道を南北に連絡する道路がなく、途中、沼や深田、池などが点在してたがいに連繋できず、たがいに孤立しているというところにこの作戦の致命的欠陥があった。

司馬遼太郎『城塞』(新潮社)“小松山”より抜粋


しかしながらそれらは彼等の戦術上の誤りではなく、兵力においてかけ離れて少数である大坂軍にとって、座して自滅を待つよりも、戦ってみずからを砕くしかなかった。むろん戦術に絶望的戦術というものはありえず、かれらにすれば、
「家康の本営を襲い、家康ひとりを刺すべし」というのが、唯一の目的であった。
(中略)
この三個縦隊の戦闘の痛烈さをいうものは、ことごとく緒戦から第二戦、第三戦と戦闘には勝ちつつも、しかしながら後続する予備隊をもたず、一方、人の海のようにしてやってくる徳川軍の人数の壁のあつさの前に自滅するようにしてやぶれたことであり、この戦いぶりが、後世までかれらをして、国民的ロマンの主人公たらしめた。ともあれ、この三個縦隊がほぼ前後して河内平野の沼沢を血で染めつつ潰滅したのである。

司馬遼太郎『城塞』(新潮社)“長瀬堤”より抜粋

塙団右衛門直之(小手伸也)に合掌。後藤又兵衛基次(哀川翔)に合掌。木村長門守重成(白石隼也)に合掌。
そして与八(今野浩喜)に合掌。


「え…ちょっと何するんですか…。遅い」
「すまぬ」
「せめて10年前に。あのころが私一番きれいだったんですから」
今でも綺麗だよきりちゃん(長澤まさみ)。このくだりで、きりちゃんの表情がそれはもう繊細に変わってくんですよ。幼馴染で戦友で古女房の顔から、それはそれは美しい女性の顔に。ホントおせーわ源次郎(堺雅人)。
しかし、大河史上、視聴者にこれほどdisられこれほど愛され、主人公にこれほどないがしろにされ、主人公とまるで色気のないでも最高に素敵なキスシーンを見せてくれたヒロインがいただろうか。いや、いない。今後も出てこない。きりちゃんの前にきりちゃんなく、きりちゃんの後にきりちゃんなし。