ONWARD presents 劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season鳥 Produced by TBS@IHIステージアラウンド東京(14:00〜) 1F-16-52

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作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:阿部サダヲ森山未來早乙女太一松雪泰子粟根まこと福田転球少路勇介/清水葉月/右近健一/山本カナコ/村木仁/梶原善池田成志/他

花がクラシックなら鳥はロック(音のことだけじゃないよ)。
花が能なら鳥はカブキ。
といった感。
ザ・新感線でしたねー鳥。メインに準団員率高いから(爆)笑いもガッツリで、新感線ファンの特に古参の方々はとっても楽しめたんじゃないでしょうか。いや、花に笑いが少なくてつまんねな感想をみかけましたのでね。でもいのうえさんと中島さんがそう決めたのだし、初新感線率高いメインで無理に取りにいかなくても、その部分は古田新太という劇団☆新感線の大看板にまかせたんだよ。そのための花の古田さんの贋鉄斎じゃんね。
一応私もそれなりに観てきてるので楽しみましたけども、歌と踊り入れても約3時間半だから色々かなり端折られてて、かなりスピーディーに話が進んでいって、余韻がないのがちょっと気になりました。1曲目が終わるか終らないかってくらいのとこで、2曲目が始まる感じ。劇中歌のことではなく比喩として。
せっかく天捨蘭の関係性を新たにして、捨の立ち位置を最初から天を葬り去る者としたんだから、本来の天(信長)への想いとかもう少し丁寧にじっくり描き込んでほしかったなと。せっかくのサダヲちゃんなんだし。蘭に告げる「今度は間に合わせる」という言葉が今までにない意味を持ったのは良かったんだけども、「持った」理由がそれちょっと違くね?って思って。ワカで天捨別の顔設定にしたときに、天(信長)と捨と天魔王のトライアングルがなくなって、天捨蘭のトライアングルっぽくなってあれれ?ってなって(失礼)、花で天蘭盛り盛りにして捨と蘭繋げてオトナドクロになって、すとんとまではいかないけどそれなりに納まって(大失礼)からの、鳥のサダヲちゃん捨ですよ。4時間になってもよかったんだよ。まあ端折られた中でもそこは阿部サダヲですから文句なく魅せてもらいましたよ。
4時間ごめん。なるしー贋鉄斎死ぬわ。GVGの時のばってん不知火もアラフィフにはきっついだろうなと思ってたけど、今回もホントご自愛ください。マジでケガには気をつけて。準団員とはいえ(爆)いのうえさんひでえよ(笑)。あ、贋鉄斎が捨の依頼を聞かないパターンて新しいよね?。なるしーに合ってると思います。あと、無界屋の赤い風車はそういうことでいいんでしょうかいいんですね?(嬉)。
未來君と太一君はもうてっぱんでセットなんでにやにや。天の英語は最初「?」ながら笑い取りにいったんで「あ、そっちか」と納得。ポルトガル語かイタリア語が良かったんだけどな時代背景的に。花記事でチラ出しした『安土往還記』の、シニョーレ(大殿=信長)だのエスピンガルダ(長銃)だのアルカプス(小銃)カステルロ(城郭)だのを思い出したんで。でも英語じゃないとわかんないもんねー(苦笑)。地球儀くるくるエンドレス大好きです。
ワカでは未來君は25、6で、太一君なんか未成年で、ホント若くて突っ走りまくっててとんがってたあれから6年。未來君は大人の男の余裕バリバリカッコよさ全開モリモリになってて上から目線感たっぷりで、夢見酒後の軍議に行くとき、蘭お姫様抱っこして裏へ連れてってって思った(何)。あとマント捌き相変わらず凄いよね。というかレベルアップしてたよね。ワカの時は華麗ながら力まかせっぽかったけど、今回は衣裳が豪華になって(爆)重厚感増したマントなのに重さを感じさせない翻りっぷりだった。それでくどきのあの殺陣だあの歌だあの踊りだ。あそこもうひとつの確立されたメソッドだ。エリザのトートとルドルフの『闇が広がる』が頭に浮かんだわ。これ誰か言ってるよなたぶん。
太一君は少年の美から抜け出して青年の美を纏うかと思いきや、更に中性的なふわっとした感じになってて鷺娘みたいだった。もちろん女形とはまた違う柔らかさなんだけども。ああ、あたたかみが出たのかな。あと優しさも。だから哀しみも際立つ。天から聞くまさかの殿の「自分のことは忘れて生きろ」。天の絶望も相当なものだったろうけど、蘭のそれはもう……。花蘭を史上最も哀しいとしたの取り消す(爆)。最期の叫びはぐわっと胸掴まれましたね。
殺陣はもう人間じゃないよ。見えないよ(笑)。耕史君は風を生み出していく感じで、太一君は風を斬るというより、風が出来る瞬間にもう斬ってるというか(誰か語彙力ください)。人を斬ると言う点では耕史君の蘭が現実味があるけど、あれ痛みを十分味わって死ねやってことで相当外道。太一君の蘭に斬られた場合は、斬られたことがわからない内に死んでると思うから幸せだよね(違)。
鳥蘭も笑いはさほど取らないから、あのお地蔵さん利用は光るー。好きだわ。
松雪の新感線での場慣れ感ハンパなくてもう何でも来いですね。でっかい息子がOKな極楽太夫だと思いました。蘭が髑髏城へ行くとき、極楽の歌声が流れてるの素敵だけど辛いなあ。引き留めてるみたいでねえ。転球さんの兵庫の設定。年齢ならではか(笑)。松雪の肝っ玉母さん的な極楽にはぴったり。少路さんの「おっとう!」にひっくり返ったよ(笑)。でも鎌捌きは花の兄さに負けるとも劣らず。清水葉月さんお初。従来の沙霧からするとぐっと大人っぽくて捨よりお姉さんな感じがありました。決してサダヲちゃんが大きくないとか、葉月さんがすらっと美人でスタイル良いからとかじゃないよ決して決して(くどい)。捨の俺について来いな兄貴感が薄かったと思うのよね。どちらかというと一緒に走ってく感じ。今回全体的に沙霧の描きこみが少なくて、花より印象に残らなくて残念だなあ。強者曲者揃いの中で頑張ってたからもっと前面に出してほしかった。善さん狸穴は安定感抜群で、花より周りがばたばたわちゃわちゃしてる分(苦笑)、外から見守る感が際立っておりました。善さんだからもうちょい変化球でくるのかと思いきやど直球でした。でも正解。
「またつまらぬものを数えてしまった」
ありがとうございますありがとうございます。いのうえさんに中島さんに五体投地です。
粟根さん渡京で算盤コロ助君であの殺陣でもうなんも言うことありません。LV取れたらあの華麗な算盤の立ち回りをじっくり見直したいと思います。
後はLVの時に書こうかな。LV取れなかったら追記します。