NHK総合 『風雲児たち〜蘭学革命篇(らんがくれぼりゅうしへん)〜』 19:20〜20:50

録画済。


そういえば塩野先生が「ふたりは共通するなにかがある」とか書いてたなあ。

歴史上、これほどに才能の質の違う天才が行き会い、互いの才能を生かして協力する例は、なかなか見出せるものではない。レオナルドは思考の巨人であり、チェーザレは行動の天才である。レオナルドが、現実の彼岸を悠々と歩む型の人間であるのに反して、チェーザレは、現実の河に馬を昂然と乗り入れる型の人間である。ただこの二人には、その精神の根底において共通したものがあった。自負心である。彼らは、自己の感覚に合わないものは、そして自己が必要としないものは絶対に受け入れない。この自己を絶対視する精神は、完全な自由に通ずる。宗教からも、倫理道徳からも、彼らは自由である。ただ、窮極的にはニヒリズムに通ずるこの精神を、その極限で維持し、しかも、積極的にそれを生きていくためには、強烈な意志の力をもたねばならない。二人にはそれがあった。

塩野七生チェーザレ・ボルジアあるいは優雅な冷酷』(新潮社)

スケールの違いはあれど、わかる気がする。
福内鬼外(平賀源内)の『神霊矢口渡』は文楽人形浄瑠璃)でも歌舞伎でも今でも上演される演目。私は映像で、歌舞伎の四段目“渡守頓兵衛住家”*1しか観たことなくて。数年前に吉右衛門さんが通しを100年ぶり*2でなさったんだけど、なんやかんやで観れなくて残念でした。
源内にしては(失礼)わりとオーソドックスな時代物。ただ、真の武士道をあまり知らないで描かれたと思われる*3上方浄瑠璃の武士道ものと違って、古典的な封建主義には固執してないんですよね。家臣の犠牲によって自分の子供もろとも助けられた武士の奥方が、主家ではなく一個人として家臣に礼を言う。上方浄瑠璃ではありえない、人間の善意を描いていると思います。江戸に在して本来の武士の姿を知ってたからでしょうね。
商売上手な源内は便乗商法で、この演目に縁の新田神社の竹で矢守(破魔矢)作って売ったりも(爆)。まあ閑散としてた神社も人出が多くなって復興したとのことですが。
以上、余談でした。


今回は田沼(草刈正雄)と源内(山本耕史)の一番いい時代を観てるんだなあ。

耕史君の源内でマキノノゾミの『非常の人 何ぞ非常に 〜奇譚 平賀源内と杉田玄白〜』を観てみたいと思いました。


これパイロット版でしょ、大河の。キャストのスケジュール組むのが大変なら『坂の上の雲』方式でもいいから、この後も三谷さんでやってくれないかしら。


おおう。てことは別のお話で今回出なかった方々が(爆)。


あー『コンフィダント・絆』思い出したわ。





余話。

確かにあの前田先生のフルオケの劇伴は素晴らしかったけどね。おっぱい星人だしなっ(笑)。“gat”=“穴”のウインクとかもなっっ。

*1:現在はこの場の単独上演。

*2:細かくいうとフルバージョンの通しではない。

*3:上方には武士少ないんで。京は公家の街だし、大坂は勘定方がほとんど。