録画済。
奇想の絵師・伊藤若冲というと、印象が強いのは色鮮やかな細密画ですが、魅力的な水墨画も数多く残しています。今回の『月に叭々鳥図（ははちょうず）』もそんな作品。縦102.5cm横29.1cmの水墨画の掛け軸です。おそらく40代、『動植綵絵』と同時期に描かれたこと以外、描かれた背景はほとんどわかっていません。
叭々鳥はハッカチョウとも呼ばれるムクドリの一種。羽を広げると八の字に見える白い模様が末広がりのお目出たい鳥とされています。描かれているのは、空を割き、真っ逆さまに落ちる鳥。薄い墨と滲みがスピード感を生み出しています。さらにまん丸に目を見開いた、ちょっとトボけた表情が目を引きます。そのかわいい表情は果たして驚いているのか？喜んでいるのか？そしてシンプルな画面に隠された高度な技とは一体？
今回は、芸能界屈指の若冲フリークだという渡辺いっけいさんが、様々な動物の絵から“画遊人”若冲の画家人生を探ります。さらに日本画家・福井江太郎さんが作品を再現。独特な滲みなどがいかにして描かれたのかを探ると、若冲の凄まじいテクニックが明らかに！鳥と共に描かれた煌々と輝く月を描いた「面蓋」という技法にも迫ります。
＜Art Traveler＞渡辺いっけい ＜ナレーター＞冨永愛
番組HPより
