『一命』@ミッドランドスクエアシネマ(11:10〜)

人である前に武士であらねばならない江戸期の武家社会。高潔さや義などとは程遠い欺瞞と理不尽と見栄と建前に満ち満ちた伏魔殿。その魔に絡めとられ命を失う者たちの無念さ哀しさは計りきれません。
譜代35万石の井伊家。改易前は外様の50万石福島家の浪人。どちらの言い分が正しいのかというのは愚の骨頂。武士の面目、武士とはどうあるべきか、改めて考えさせられました。
楽しくはなかったけど(爆)良い出来の映画だと思います。ただ、武士の面目云々が大前提にあるので、これを理解してないと、死ぬ死ぬ詐欺師とその仇討に来た貧乏浪人のハタ迷惑な話にしか見えません(汗)。
映像的には、さすが三池監督というべきか、市川海老蔵の正しい使い方を見せてもらったような気がします(笑)。台詞まわしはまあ相変わらずなんだけど、彼の持つハッタリ感というのはこういう映像作品にはぴったり。最後の大立ち回りにおける説得力にはその効果絶大です。
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余話1。千々石求女(瑛太)の父・甚内(中村梅雀)が福島正則から拝領したした刀が兼定。当時の兼定といやあ超プレミア二代兼定でしょう?。質に入れたら相当な大金になりそうなもんだけども質屋に騙されたか?。
余話2。竹光での切腹なんぞ二度と見たくありません。