NHKBSプレミアム 『平清盛』#14 “家盛決起” 18:00〜18:45

録画済。


とりあえずファーストインプレッション。
なんか萌えどころじゃなかったよ。恐かった。嬲る頼長(山本耕史)、嬲られる家盛(大東駿介)。


以下、随時追記中。
脚本が前回よりなんだかなな部分が多くて感想どうしようかと思うんだけど(汗)、頼長と家盛のシーンについては演者に敬意を表したいと思います。創作部分を巧く頼長の野望に絡めてたのでは。史実はさておき、この大河の家盛に野望、というか希望を持たせたのはよかったんじゃないでしょうか。後々の悲劇性が高まりますしね。
頼長は家盛の舞と見た目だけでロックオンしたのではなく(苦笑)*1、忠実(國村隼)から「正室の子云々」聞いた瞬間に、彼の明晰な頭脳は様々な計算をはじき出して、あの妖しい目線になったわけですよ。
「そなたが清盛よりも優れておるのは、はるかに御しやすい男ということじゃ」
ということも含めてね。
あ、これだけ先に書いとこかな。本日の萌え。2回見直してやっと萌え気分に(爆)。
家人に下がるように促した後の家盛戻す目線。
袖で家盛の唇の端をそっと抑えるとこ。指が出てないのがツボです。
「鳥羽の院にも」の声。
「見目も申し分ないしの」で家盛の頬に触れた長い指。指が出てるとこがツボです*2
番外。そこでばさばさする鸚鵡。何を見た!?言うてみい!(笑)*3
まあ続きはぼちぼちと。
てなわけで続き。
ま さんのコメントの「源氏との縁濃い藤原摂関家の跡目候補が、触れることなど考えてもみなかった平氏の取り込みに乗り出す」。敵の力を殺ぎ、殺いだ分を自分のものにするというのは調略の常套手段。暗殺や破壊行動ではなく、頭使って、搦め手を攻めるという頼長の姿をここで見れたのは嬉しい*4。史実では、平氏にすり寄り取り込もうとした、ということはなかったように思われるので、この創作はなかなか面白いです。自分が見下してきた相手の力を利用する、ということに頼長は抵抗がなかったのかちょい疑問ではありますが、野望のためにはプライドも融通をきかしたのでしょう。そこに彼の“道理”も見出せたということにしときましょう*5ノムさんも「プライドとはコントロールするからこそ価値がある」と言っちょります(爆)。
一方の家盛。“決起”というわりには、平氏一門は家盛寄りだし、忠盛(中井貴一)もブレてるし、決起の相手のはずの清盛(松山ケンイチ)が試合放棄で、御家騒動の体を成してなくって残念。スケールがちっちゃくなっちゃったんでしょうね。兄派vs弟派で一触即発な雰囲気があってもよいのに、家族間の葛藤で終始一貫。家盛がしたことといえば、頼長に飼い馴らされること。家盛にしてみれば、母や一門への純な想いの上でのことだったんでしょうけどね。
そして手酷い仕打ち。頼長にとっては家盛は木偶でしかありませんもんね。木偶だからどう弄んだっていいわけです。頼長の企みが明白になり恐怖するしかない家盛。どれほど自分の浅はかさを呪ったことか。彼は頼長も清盛も責めないでしょう。己が悪い、その鬱屈は誰にも語られることなく内へ内へと……。
大河では、家盛の死で平氏一門でひと悶着あるようだけど、頼長は木偶とはいえ家盛という手駒を失ったことをどう思っているのか。内紛で平氏の力が弱まったら儲けもん程度なのか、毛ほども気にしてないのか。……気にしてなさそうな気がする(爆)。
前回に比べ、脚本の穴とか主人公の光らなさ加減とかがハンパなかったけど、頼長の謀りっぷりと家盛の悲哀を描き切ってたので、そこは酌みとってあげたいなと。ま、演者の力に寄るところも多々あるか(苦笑)。いやマジ萌えより恐怖が勝りました。その気持ちが沸いた時、頼長が耕史君で、家盛が大東君で良かったと心から思いましたよ。
まだ書くかも。
こっそり追記。
歴史上、資料無しにひとしい家盛。この大河では兄思い家族思いの舞上手の優しい青年。でも若死にした事実(?)を描いて退場させなければなりません。ここまでキャラ立ちしてるとただの病死ではなんとも非ドラマティック。そこで白羽の矢は頼長に。家盛絶望→心労→人事不省による落馬で落命(?)*6の図式はお見事。あたしゃ、最初に家盛のことを知った時*7、絶対清盛or清盛一派に殺されとるわと思ったクチ(鬼)。清盛の白河院落胤説前提でね。当時の噂として、家盛の死因は祇園社の呪詛というのがあったそうですが、まあそんなことは私たちからしてみればあるわけもなく。ああ、頼長も呪詛嫌疑でえらいことになってましたな。あの“呪詛”と家盛とは……絡めてこないよなまさか。
結局、3回リピしましたが、観る度に思うのは耕史君の底力。いや底は何処の、汲めども尽きぬの感。
技巧を越えた直球の演技力、今まで聞いたことのない声音、貴族らしい優美な動作。何をおいても似合う麿やら直衣やら束帯やら。そしてただならぬ色気。脱いでないのに(爆)匂い立つ色気。直接のエロよりエロいつーのは最強です。うーん、私の未熟な文章力では表現しきれん。ええと、肩のラインに萌えたあの写真のように、頼長のポージングがいちいち良いのです。ちょっと小首をかしげる感じのね。「はるかに御しやすい〜」の右肩下がり気味、顔ちょい左側のなんか最高ですわ。rさんのコメントよろしく*8少女マンガのひとコマ。


余話。時忠(森田剛)に拍手を。
「あ〜あ、とんだ見込み違いじゃ。なあ盛国、今からでも姉上は家盛様の側妻にでもできぬものか」
本人達の目の前で言いにくいことをさらっとしれっと。このドライ感、この大河には逆に清涼剤(笑)。

*1:いやもちろん、籠絡するなら見目良い方がいいに決まってますが。

*2:腐な私は、あの指の出具合で「なれたな」と思ってしまいました。わかるひとにはわかる(爆)。

*3:あそこだけじゃなく色々見てるわな。後々どっかで証言したら面白いのに。「ギョシヤスイ」とか「ミメモモウシブンナイシノ」とか。

*4:これで彼に優秀なブレーンがいたらなあ。デキるトップというのはデキる部下を使いこなしてなんぼ。ただの手足が何本あっても所詮手足。

*5:でもなあ、高いというより高すぎるプライドがそんな簡単に融通されるもんかとも思ったり。頭良すぎて他人がバカに見えてしょうがないわけだし……。

*6:直接の死因は次回観てみないとわからんけど。

*7:もちろんこの大河が始まるずっと前。

*8:随分前ですが。