絶対的不可侵の聖域を傷つけ踏みにじられ、それに抗うも、没義道に屈して堕ちてゆかなければならないひと。それがただのひとではなく、高貴で清げなる公家の血の才色兼備の美僧。演じるは堺雅人。萌えないわけがない（笑）。アルファ波雅人ボイスのまろやかな京ことばに萌え、読経に萌え、弟子たちとの戯言に萌え、紫の僧衣に萌え、僧からただの男になる時に流す涙に萌え、滴る血に萌え。いい男は血も滴るんですな。
堺さんは、その役に不可欠な神性というか聖性を宿して、同時に色気も滲ませることができるひとだと思うのですよ。塚原朴伝がそうだった。殺陣はともかく（失礼）いにしえの神の剣を継ぐ者としての佇まいは絶品でした。そして今回の院主様。サンクチュアリの中の無意識のエロスって最強ですがな。無意識とか無我とか無邪気でひとを惑わすなど、最も罪深きことでございます。だから有功は堕ちねばならなかったのです（爆）。
今年は素敵坊主盛盛。主に大河ですけど（爆）。大河の坊主メンツに堺さんと聖入れて『新・美坊主図鑑』誰か作ってくれ。
面白かったです。原作未読でニノの映画も観てないけど。きっと原作も面白いんでしょうね。男女逆転は奇想天外というひとが多いけど、要は腹と種の立場が逆転しただけでしょう？。全くあり得ないわけじゃないかも、と思わせる説得力があるつくりだと思います。歴史的背景を巧く取り込んでることもその一端を担ってるのではないでしょうか。鎖国の理由に納得しちゃったよ（笑）。
キャストも文句なし。みんな良い仕事するなあ。ツボは段田さんの知恵伊豆。
あと、聖もいいよね。彼はイケイケな役しか観たことなくて新鮮でした。
「京にもこの世にも何の未練もあらしません。あなた様についていきたいのや」
あんな顔できるんだねえ。思わずうるうる。
それにつけても、春日局（麻生祐未）の恐ろしさよ。今まで色々な春日局を見てきたけど今回が最強かも。いわゆるデフォ春日局の徹底した道理とか正義を貫いてゆく迫力はないんだけど、底知れなさ加減がハンパないです。背筋に冷たいものが走りました。
次回も楽しみです。
余話1。堺さんの声は素敵なのですが*1、関西人じゃないひとの関西イントネーションはやはり違和感バリバリ。それを思うと多部ちゃんは結構巧かったと改めて。
余話2。小日向さんが堺さんのおもうさんだなんて、なんて神キャスト。あ、ダメ義さん出世オメ！。でも江戸時代じゃ相当家禄少ないな（爆）。
*1:「そやろ」には腰砕けました^_^;
