録画済。
『田畑永代売買禁止令』制定の理由に納得。というかあまりにも自然な流れでお見事。男女逆転大奥という超フィクションの中で、史実の存在意義をきちんと描いてるとこが、この作品が評価される理由のひとつだと思います。
徳川幕府安泰のために男子誕生を、という春日局（麻生祐未）の悲願。彼女の必死の滅私奉公も空しく、それは叶わなそうだけれど、ある意味、彼女の選択は間違ってなかったのでしょう。彼女によって選ばれた家光（多部未華子）と有功（堺雅人）。二人は今確実に自分たちの役割を果たそうとしている。
たとえ男子が生まれなくとも続いていく徳川幕府の確立。春日局にしてみれば本意ではないでしょう。でも幕府がなくなってしまえば元の黙阿弥。また戦国の世に逆戻りです。それこそ春日局の最も望まぬところなのです。
ただ、家光の治世を頂点に、幕府は少しずつ衰退していく。それは計らずも大奥の掛りが原因の一部に。大奥を確固たるものにするのは有功。聡明すぎる彼には先の先まで見えていたのかもしれません。彼の心は「愛しい家光のために」。徳川幕府安泰が望みではない、と思う。
