『二月花形歌舞伎』夜の部@大阪松竹座(16:00〜) 1F-12-21・22


吹雪峠
直吉:愛之助/おえん:七之助/助蔵:獅童
七之助君の成長目覚しいなあ。勘太郎君うかうかしてられないぞ。久々に生で観たけど、声の出し方も台詞回しもぐんと良くなって+なかなかの女形っぷり。先日のフジの特番で、時折玉さまの自宅でお稽古をつけていただいてると聞いた。そのせいか、喋り方はもとより声色まで玉さま風味。でもそれは悪いことじゃない。
愛之助さんは手堅いので置いといて(失礼)獅童ちゃんがねー(溜息)。役を自分の得意分野へ引き寄せすぎな気がする。山小屋の戸板がはずれちゃうハプニングは彼の機転で取り繕えたけど、そこからこの演目の空気が変わっちゃったもん。七之助君と愛之助さんは戻そうとするものの獅童ちゃんが調子こいちゃって…。
これ初見なんだけど喜劇じゃないでしょ?(汗)。


源平布引滝 実盛物語
斎藤実盛勘太郎/小万:亀治郎/葵御前:亀鶴/瀬尾十郎:男女蔵/百姓九郎助:亀蔵/九郎助女房小よし:吉弥/他
勘太郎君めちゃめちゃ良かったーーー。脇ながら重要な九郎助夫婦が亀蔵さんと吉弥さんというのも効いてたと思う。いくら若手中心と言ってもああいう役どころは絶対ベテランがやるべき。メリハリができて勘太郎君の涼やかで凛々しい武者ぶりも際立つ。
瀬尾の男女蔵さんの美声を堪能。しかし、瀬尾のあの展開は歌舞伎だからこそというか、よく考えたらいや考えなくてもごっつ怖い。観るたびに太郎吉のトラウマにならないかと心配(爆)。


蜘蛛絲梓弦 市川亀治郎六変化相勤め申し候
傾城薄雲・童・薬売り・番頭新造・座頭・蜘蛛の精:亀治郎/平井保昌:愛之助碓井貞光獅童卜部季武七之助坂田金時:亀鶴/渡辺綱男女蔵源頼光勘太郎/他
亀ちゃんが実に楽しそうでもうノリノリでやってますっってな感じ。でも肉体的には相当きついんだろうなあ。童のとき少し膝を折って小さくみせてたりするし、なんといっても早替わり早すぎ(笑)。特に薬売りから番頭新造。ストップウオッチで測りたいぞ。
獅童ちゃんと愛之助さんが逆でもよかったんじゃないかと考えたけど、押戻しは獅童ちゃんでは難しいかな(いぢわる)。それに獅童ちゃんだと“愛”ネタが使えない(笑)。
舞踊中心と言ってもエンタメ性の高い演目で、夜の部を盛り上げ締めくくるに相応しい出来栄えだったかと。
盛り上がりまくってカーテンコールにスタオベ。松竹座では、染ちゃん×愛之助さんの『染模様〜』以来かな。カーテンコール大いに結構。歌舞伎じゃ*1あまり歓迎されないようだけどね。

*1:特に歌舞伎座