栗本薫『グイン・サーガ 130』

5月に亡くなった栗本薫の『グイン・サーガ』(ハヤカワ文庫)の最終巻130巻目が先日出た。がんと闘い世界最長の物語を書き続けた鋼の意思は、2010年代への遺言に見える。

友が教えてくれた*1記事より抜粋。http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20091215bk01.htm
鋼の意思とはまさに。30年間書き続けられたゆるがない世界観。それがこれから物語が佳境に入るというのに*2、捕らわれのフロリーのモノローグシーンでぷつりと終わってしまった。今回の解説はご主人の今岡氏。彼が、新装版最終巻の薫クンあとがきをふまえて、この物語を誰かに書き継いでもらえればと語っている。果たしてそれが成ったとしても、栗本薫の手によるものでない限りこれまでの『グイン・サーガ』とは別物だと思う。書き継がれることが薫クンの遺志であったとしてもね。『グイン・サーガ』は栗本薫にしか書けないのです。
130巻は本編141ページ。いつもの半分。薄い。薄い薄い薄い(涙)。
薫クンの病状が悪化し30分とデスクに座ってられず、死力を尽したものの200枚*3に達したところで力尽きたとのこと。
寂しい。寂しい寂しい寂しい。“ぼくらの時代”が終わってしまった。最終巻の『豹頭王の花嫁』読みたかったよ薫クン。

*1:FAXありがとねー。多謝多謝。Web記事にもありました。

*2:なんせ123巻にしてタイトルが『風雲への序章』。それまでいったいなんだったんだ(笑)

*3:いつもは400枚。