NHK総合 『ブラタモリ』 第2シリーズ 築地 22:00〜22:50

半年ぶりに復活するブラタモリ。記念すべき1回目は「築地」です!築地といえば、日本人の胃袋を支える市場の街。でも築地は市場だけじゃありません!実は寺町、海軍、外国人居留地と、ドラマチックな変貌を遂げてきた街なんです。築地本願寺にひそむ謎の地下施設とは?いまも市場に残る海軍の痕跡とは?タモリさんが築地の知られざるルーツに迫ります。

NHK 番組HPより

http://www.nhk.or.jp/buratamori/broadcast/vol001.html
第1シリーズは完走できなかったのよね。何回目かで特番か緊急ニュースだったか、本放送が突然なくなって、再放送もあったりなかったり。名古屋だけだったのかな。2、3回そんなことがあって、その後観そびれてしまいました。今回はコンプできるといいな。
築地の海軍大学校といえば秋山真之ですな。

信じがたいほどのことだが、海軍大学校に戦術講座が設けられたのは、明治三十五年七月のことである。
日本海軍はこの時期をもって戦術というものの系統だった研究にはじめて乗りだすのだが、真之はその初代教官にえらばれた。
「秋山以外に適任とすべき者は求められない」
というのが、海軍部内の定評であった。
海軍大学校の校長は坂本俊篤であったが、この坂本が欧州視察の途中アメリカに寄り、ワシントンで大尉時代の真之に会ったことがある。
「君は、海軍大学校に入らんのかね」
と、坂本はきいた。
海軍大学校の甲種学生は少佐か大尉でえらばれるから、この質問はふしぎではない。
が、真之はふしぎそうな顔をしてこの老先輩の顔を見つめ、
「私に教える教官がいるのでしょうか」
と、反問した。
坂本は、一瞬考えてしまった。
(なるほど、そうかもしれんな)
と、思いなおした。ワシントンでの滞在中、公使館の広間でずっと真之の話をきいていたのだが、いちいち感嘆した。
(これは学生というより、教官だ)
と、おもい、戦術講座を開設するにあたって考慮するまでもなく海軍少佐秋山真之を指名した。

司馬遼太郎坂の上の雲』2巻(文藝春秋)より抜粋