録画済。
誰にでもある青春。誰にでもいつかやってくる青春の終わり。これは、人より少し長く青春にしがみつき、ついにその青春を手放そうとしている男たち女たちの物語である。
彼らが青春のよりどころにしてきたのは劇団M.O.P.。27年前旗揚げし、「演劇の聖地」紀伊国屋ホールを満杯にしてきた人気劇団である。このM.O.P.が、今年夏の公演を最後に解散する。脚本・演出のマキノノゾミは,数々の演劇賞を受賞、大物役者に演出を切望される売れっ子となった。しかし、劇団員の内、芝居で食えるのはせいぜい4人、大半は、バイトや派遣で食いつなぐうちに、30を過ぎ40を過ぎ家族もふえた。浮き草稼業に周囲は不安を募らせ、ある女性団員は最近、母親から切々と結婚を願う長文の手紙が届き涙が止まらなかったという。
それぞれに劇団が「重荷」になり解散を決意した劇団員。だが、彼らの心にはなおも揺れるものがある。青春という「しがらみ」からの解放感、その一方、「より所」の喪失感―これで本当にいいのだろうか―?。番組は、6月の稽古開始から、夏の終わり、京都での千秋楽までを追い、青春の終わりの揺れる思いを描いていく。