NHKBShi 『男前列伝』 「ためらうな 恥じるな 裸になれ」−村山槐多×三上博史− 21:30〜22:00

録画済。

村山槐多は、正規の美術教育を受けることなく18歳で画壇デビュー。天才出現と謳われたが、狂おしい恋と放浪に明け暮れる無軌道な生活の果て、画業5年足らずで世を去った。18歳で描いた代表作『尿(いばり)する裸僧』は、「ためらわず、裸になり、自分をさらけだす」彼の美学そのもの。托鉢の器に向かって尿をほとばしらせる僧は槐多自身、全身に彼独特の「深紅」が燃え上がるように塗られている。俳優・三上博史は、15歳のときアングラの旗手・寺山修司に見出され、映画デビュー。近年は舞台でも特異な役柄に力を入れている。共に早熟なデビューを果たした二人の出会いは、どんな火花を散らすのだろうか。

NHK 番組情報ページより抜粋

先日の藤原頼長春猿さんといい、今回の三上といい、もうNHKってば(爆)。
まあそれは置いといて、私は村山槐多の絵より詩の方が好きですね。絵はいかにも天才の情熱・放埓・迫力に満ち溢れてるけど、詩の方はそれに加え、繊細で純粋な彼の心が見える気がする。
げに君は夜とならざるたそがれの
美しきとどこほり
げに君は酒とならざる麦の穂の
青き豪奢
すべて末路をもたぬ
また全盛に会はぬ
涼しき微笑の時に君はあり
とこしなへに君はあり
されば美しき少年に永くとどまり
その品よきぱつちりとせし
眼を薄く宝玉にうつし給へり
いと永き薄ら明りにとどまる
われは君を離れてゆく
いかにこの別れの切なきものなるよ
されど我ははるかにのぞまん
あな薄明に微笑し給へる君よ
(村山槐多『君に』)
ドリアン関連の記事で紹介した一篇。稲生少年への恋心です。番組内では紹介されてなかったと思いますが……。