テレビ愛知 『美の巨人たち』 伊藤若冲『乗興舟』天才絵師の問題作!モノクロ絵巻の特殊技法とは? 22:00〜22:30

録画済。

今日の1枚は、天才絵師の問題作、伊藤若冲作『乗興舟』。“舟に乗って楽しむ”という意味の題名が表す通り、1767年春、京都の伏見口と呼ばれた船着場から、大阪へと舟旅をした時に仕立て上げた、一巻の絵巻です。
幅28cm、長さ11mを越える長い絵巻で、淀川沿いの情景に、若冲と旅を共にした大典という僧の漢詩が添えられているのですが、描かれている絵はなぜかモノクロの世界。漆黒の闇のような強烈な黒い空、淡い灰色の川、白い松並木。しかもよくみると、白と黒が、光と影が、全て反転しているのです。旅の直前に描かれた代表作『動植綵絵』は絢爛たる極彩色の世界にも関わらず、なぜ若冲はモノクロの絵巻を描いたのでしょうか?。
ぼかしの表現が見事な、独特の世界を作り上げているのは「拓版画」と呼ばれる特殊技法。しかもこの作品の技法を説明するために生まれた造語だと言われています。しかし再現しようとしても若冲のようにはならないのです。長らく謎とされてきた「拓版画」の想像を絶する技法とは?。

番組HPより