NHK総合 『ゾンビが来たから人生見つめ直した件』#4 23:30~24:00

録画済。

 

 

 

 

お父さん、私は今テレビを見ています。いつもどおりの私だけれど、いつもと違うのは、私の中からパイナップルの香りがして、それはとてもいい匂いなのだけれど、その匂いを嗅いでいると私の中からいろいろなものが消えていく感じがあって、それがとても心地よくとても怖いです。なぜだか分からないけど 、もう二度とあなたに会えないような気がして。

だからあなたに伝えなくちゃいけないことをメールに書いて送ろうと思うのだけど、どんな言葉を使っても物足りない気がして… 私は今、どれだけ辞書を引いても出てこない、きっとまだ名前のついていない言葉に振り回されています。

私の中にあふれる、あなたにたどりつけずさまよう迷子のような たくさんの思い、あなたに届けるべきふさわしい言葉も見つからず、あなたが容赦なく消えていく世界で、私は今静かに泣きじゃくっています。

あなたに何もしてあげられないくせにしてもらいたいことばかりが浮かんできます。 あなたが幸せじゃないと私も幸せじゃないはずなのに、私は自分勝手に私にとっての幸せばかりを求めてしまいます。

あなたにもう一度 陽子と呼ばれたい。 私のことを忘れないで欲しい。 私はきっともうすぐ あなたを忘れてしまうような気がします。 だけどあなたには私のことを忘れないでいて欲しい。 あなたと一緒になってみずほや薫を授かり、幸せに過ごした時間の全てをあなたに預けさせてください。 最後までわがままばかりでごめんなさい。

怖い。 あなた 光男さん 消えないで。 あなたが消えていくことが心地よくて、それが怖くて仕方ない。 消えないで。 どこにも行かないで。どうしよう。 気持ちいい。 気持ち悪い。

好きです、光男さん。 顔が思い出せない。嬉しい。 いやだ、どうしよう。 神様、私から光男さんを好きな気持ちだけは消さないで。消さないでください。 お願いします。 それだけは分からないけれどそれだけは きっと…。