『第四十三回吉例顔見世』昼の部@御園座(11:00〜) 2F-14-30


昼の部はひとりで鑑賞のため、ケチって2階14列30番にて。もう3列後ろが3階席になるんだけど、御園座の2階席後方〜3階席は傾斜がきついので、スッポンは楽々、花道の真ん中くらいまで見える。


歌舞伎十八番の内 毛抜
粂寺弾正:松緑秀太郎:門之助/玄蕃:市蔵/秦民部:亀三郎/小野春風:亀寿/小野春道:秀調/腰元巻絹:萬次郎/他
松緑さんは“平成の三之助”の中では一番の贔屓。顔は丸っこいけど(失礼)声良し発声良し所作良し踊り良しで、誰かさん*1と違って安心して観てられる。明るく大らかな楽しい舞台で、朝から元気いただきました。


色彩間苅豆 かさね
かさね:菊之助/与右衛門:海老蔵/他
4月に愛之助×孝太郎バージョンを観ましたが、こっちはテクニカルメリット>>>アーティスティック・インプレッション。今回はその逆かと思われ(笑)。かさねの顔が怨念のせいで醜くなってから、怖いというより可哀想な感じが菊ちゃんらしいかな。綺麗なんだけど可憐で可愛さの方が勝ってるからか。海老蔵の与右衛門は正直よくわかりません(汗)。


権三と助十
権三:團十郎/権三女房おかん:魁春左官勘太郎團蔵/助八:権十郎/小間物屋彦三郎:門之助/願人坊主雲哲:市蔵/願人坊主願哲:男女蔵/猿廻し与助:秀調/石子伴作:家橘/家主六郎兵衛:左團次/小間物屋彦兵衛:田之助/助十:菊五郎/他
初めて観た。面白かったー。
團十郎さんの台詞が危ないところが結構ありました。べらんめえ調が喋りにくいのかも。多分、毎日台詞がちょこっとずつ違うんだろうなあ(笑)。にしても團十郎×菊五郎の駕籠担きって、オーラありすぎ存在感ありすぎ。畏れ多くて乗れない。そんなひとたちがああいう役をやるところが配役の妙で、面白さを増幅しようとしてるのかもしれないけど、わいわいと軽いノリのこの風俗劇にある面白さとはちょっと違うような………。あと、團十郎さん演じる市井の人物に違和感。なんだろ。べらんめえが滑らかじゃないからか。顔が世話物に向いてないからか。それともやり慣れてないだけか。でも面白かったことには違いないからまあいいや。菊五郎さんの江戸っ子は絶品なので、たとえオーラが凄くても(笑)無問題。
7日に記事にした、菊五郎さんの「おう、どっかで電話が鳴ってるぜ」は超ファインプレー。絶妙のタイミングでこれを言うのよ。ハプニング対してこういう感想は不謹慎だけどさ。さすが人間国宝は一味違うぜ。

*1:菊ちゃんじゃないわよ、と言ったら残すはあとひとりなんだけど(笑)