『第四十三回吉例顔見世』夜の部@御園座(16:15〜) 1F-西4-1・2・3


夜は母をご招待申し上げたので、オットと3人で1F下手前方の桟敷席。宙乗りが最後まで見えないけど、前後左右全く気にしなくていいし足元ゆったりで、70近い母にはこの方がいい。


歌舞伎十八番の内 鳴神
鳴神上人團十郎/白雲坊:右之助/黒雲坊:市蔵/雲の絶間姫:菊之助/他
成田屋の家の芸“歌舞妓十八番”を全て観たわけではないけど、『鳴神』は團十郎さんの芸の良さが一番出ていて、これこそ最大の当たり役ではないかと。私的には、いつもあの台詞回しがイマイチ耳障りなのに*1今回は素直に入ってきました。最後の飛び六法まで“成田屋”を堪能〜〜〜。
菊ちゃんは初役とは思えない出来。初心な生身の男とはいえ仏弟子ををあっさり篭絡するに相応しい、ごっつ美人でデキる雲の絶間姫。無事に注連縄をぶった切って花道からはけてくときに、乱れた髪の毛が口の端にかかってて、それをさっと払って顔をくっと上げたのが「やったわっ」な感じがすっごく出てました。


達陀
僧集慶:菊五郎/青衣の女人:菊之助/練行衆:團蔵、秀調、市蔵、亀三郎、亀寿、男女蔵、萬次郎/堂童子松緑/他
『権三と助十』同様初見。東大寺二月堂のお水取りが題材なので季節感さっぱり(笑)。
でも面白かった。パワフルで圧倒的迫力の練行衆の群舞は傑出ですね。同じ動きの繰り返しが多いけど、あのテンポはもう歌舞伎じゃない。若手がばんばんトンボ切るからプチマッスルミュージカル
これは真正面から観たかったなあ。戸張の中を走る練行衆が端っこだと全部観えなくって。あと、春や秋の景色をバックに佇む上村松園美人画の如くの菊ちゃんの青衣の女人も絶対正面だな。
松明の灯りをモチーフにしたライティングが幻想的でした。


義経千本桜 川連法眼館の場
佐藤忠信佐藤忠信実は源九郎狐:海老蔵静御前:門之助/駿河次郎男女蔵亀井六郎:亀三郎/飛鳥:右之助/川連法眼:家橘/源義経:友右衛門/他
去年の南座の顔見世で勘三郎さんバージョン観ちゃってるんだよねえ。比べるのが間違ってるのは重々承知の上だけどさ。
海老蔵は頑張ってました、ってことにしとこう………巷の感想では去年の演舞場よりはよくなってるそうです。*2まあ、まだ2回目だしね。今後の精進に期待。
母ってばあれだけ説明したのに、源九郎狐の階段からの出を見逃しました(怒)。

*1:失礼ながら成田屋贔屓ではないので。

*2:よくなってなかったらおかしいんだけど。