NHK総合 『チェイス〜国税査察官〜』#6終 21:00〜22:00

録画済。


感想書く前に、馴染みのドラマブロガーさん宅を回ってみたんだけど、みんな『ハゲタカ』幻想にとりつかれてるねえ。全ては『ハゲタカ』のようでなくてはならない。なぜ『ハゲタカ』のように作れないのか。……『ハゲタカ』亡者怖ろしや。『組!』の時と同じだね。作品を愛するのは構わないけどね。その気持ちは十分過ぎるほどわかる。でも愛するあまりの狂信、排他思考を比較論に持ち込むのは愚の骨頂*1
と、自分への戒めとしても書いてみる。最も私はそんなに組!組!言ってないつもり。
で、本編。評価が分かれたのは、脱税バトルかと思いきや、それを単なるツールとした“家族”の物語だったことでしょうか。春馬(江口洋介)の家族も描かれたけど、村雲(ARATA)との対比のためでしかなかった。これは“国税査察官”の話ではなく、村雲の物語。春馬が主役のはずなのに村雲の傍観者として描かれたから、どこか焦点が定まらない作品になった気がする。村雲の復讐を前面に押し出した方がわかりやすかったのかも。ARATA君の演技と存在感が素晴らしかっただけにちょっと残念。
ただ、視聴者の想像に委ねられた部分が多くてスッキリしないと思いつつ、全てを描く必要もないかと思ったり。余韻を残す、というのもひとつの手でしょう。こう言えるのは、詰めが大いに甘かったとこもひっくるめて結局この作品が好きだからです(笑)。フィルム・ノワール的な感じが大好物。あの雰囲気にARATA君がぴったり。もしかしたら内容より演者と映像を堪能したもん勝ちだったりして(苦笑)。
あー、フィルム・ノワールっぽさも評価下げたのかなあ。悪く言えば古臭い手法だし……。時代を変えて、例えば日本の高度成長期とか戦前とか、あるいは近未来*2とかでなら許容されるのかもね。

*1:『ハゲタカ』の評価が非常に高いのは知ってる。キャストに全く興味がなかったから観てないんだよね。柴田恭兵が苦手だし。

*2:ブレードランナー』みたいな……まあ予算的に不可能ですな(^_^;) 『ブレードランナー』って2019年の話なんだよね。あとたった9年後なんだよね。それを言い出したら『2001年宇宙の旅』はどうすれば(笑)。