NHK総合 『ブラタモリ』 第3シリーズ 国分寺前編 遺跡編 22:00〜22:48

国分寺市は東京都心の西部に広がる緑豊かな郊外。実はここが、1300年前には関東の中心だったことをご存知でしょうか?。地名の由来となった「武蔵国分寺」がこの地に出来たのは奈良時代聖武天皇の命で全国に多くの国分寺を建立する国家プロジェクトの一環でした。当時は大地震や飢饉が発生し疫病が流行り、その混乱を鎮める為に、奈良の東大寺をはじめとする「国分寺」と呼ばれるお寺が日本各地に建立されたのです。今回は、武蔵の国の「都庁」とも言える「国府」が置かれていたこの地域に国分寺が建てられた秘密を探って、大胆なブラ歩き展開します。
遺跡跡はいま、広大な原っぱが広がる子ども達の遊び場。その何気ない原っぱをブラブラ歩くだけで、1000年もの歴史を物語るミステリーが続々とあらわれます!。発掘中の現場にも特別に潜入。そこで出土したお宝とは!?。番組では、国分寺市が東京の中心であるナゾを地形的・科学的にも徹底解明!。
国分寺を通り30キロも続く崖線と呼ばれるガケ。そのガケを作ったのは多摩川。その支流・野川の源流を求めて深い森の中へと迷い込んだタモリさんが出会った驚きの動物とは!?。さらに、(財)日本数学検定協会の全面協力で、国分寺市が東京の中心であることが公開実験からも科学的にもハッキリと証明されることに・・・?。
奈良から続く幻の古代道・東山道の痕跡をたどったり、普段は非公開の日立製作所中央研究所の中に残る広大な武蔵野の森も大公開。「中心の街」国分寺の、知られざる秘密や不思議をたっぷりとお伝えします。

NHK 番組HPより

国分寺国分尼寺については教科書程度の知識しかないので、楽しく観れました。『街道をゆく』ではちらほらと出てくるけど、あまり深く言及されてないんですよねー。

律令制の地方制度として、諸国に国府が置かれたが、佐渡にも当然ながら置かれている。また官立の寺として国分寺および国分尼寺が置かれたが、佐渡にはその二つながら置かれている。そのくせ、都から国司がやってこない。
(中略)
王朝の公家どもというのは、政治という面では、まことにだらしのないものであった。貪婪なくせに冒険心がかいもくなく(中略)藤原実房のように、物を貰うことは好きでも自分から波濤を越えて佐渡に行ってみるということはしない。
(中略)
鎌倉期になり、王朝人から政治を、いわゆる武士が奪った。この政権には百姓のリアリズムとか、所有に関する庶民の合理主義、あるいは庶民の倫理観といったようなものが貫かれていて、その点、夜が明けたような時代だが、しかし百姓くさい政権だけに、なお冒険精神に乏しかった。あらたな地方長官職である「守護」になって佐渡へわたったという鎌倉武士がいない。すでに佐渡の山々から砂金が出るということが、どうやら常識化されつつあったのに、鎌倉人でさえ金を採りに行ってやろうという気もおこさなかったのは、ひとつには商品経済がまだ十分に発達しておらず、金銀が貨幣として認識されることがきわめて薄かったからであろう。
佐渡の砂金に人が目をつけるのは『佐渡風土記』では室町末期からである。

今年の大河にちょっと関係する部分抜粋。ほんのちょっとですけど。ちなみに藤原実房は『新古今和歌集』の入道左大臣*1とは別人で、100年くらい前の道長の頃に能登守をやっていたひと、らしい。
和菓子屋兼鉄道模型店“しげまつ”のジオラマ素敵。タモリさんは国分寺よりこっちがメインじゃないかと(笑)。オットも大喜び。次回の鉄道総研特集を心待ちにしております。国分寺のあれこれは確かに面白いけど、番組的というかタモリさん的に、国分寺市にある鉄道総研ありきの、国分寺遺跡編としか思えません(苦笑)。


余話。わたくし、ジオラマで走ってた深緑の列車を一瞬でトワイライトエクスプレスとわかってしまってなんだかもう(爆)。

*1:こっちの実房は、祖父が三条実行です。実行は、頼長とも関係あるけど超マイナーだから大河には出ないかな。ちなみに実行の異母妹が璋子。