TechCrunch グッド・バイ、レイ・ブラッドベリ
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
アシモフとハインラインはとっくに星になり、アーサー・C・クラークは4年前に彼等の所へ行った。そしてブラッドベリ。小松左京や星新一は彼と会えただろうか。
結構読みましたねー。『火星年代記』、『たんぽぽのお酒』、『何かが道をやってくる』、『刺青の男』、『10月はたそがれの国』、『ウは宇宙船のウ』、『スは宇宙(スペース)のス』………。
「ナイトシェイドか。ずいぶん変わった名前だな」
「でも、ジムにはぴったりだよ」と、ウィル・ハロウェイがいった。「ぼくは10月30日の夜半の12時1分前に生まれ、ジムは、12時1分すぎに生まれたんだ。つまり10月31日になったときに生まれたんだ」
「万聖節前夜さ」と、ジムがつけたした。
彼らの口ぶりからもわかるとおり、二人は、隣りあって住んでいる彼らの母親が、いっしょに病院へかけつけ、寸分の差で、それぞれの男の子を生んだ話を、これまで何度も得々として人に語ってきかせていたのである。二人合同の誕生祝いの話も、一つの語り草になっていた。毎年ウィルは、真夜中の1分前に、ケーキにさしたローソクに火をともす。そしてジムは、真夜中を1分すぎて、10月の最後の日がはじまる瞬間に、そのローソクの火を吹き消すのであった。