NHKBSプレミアム 『平清盛』#44 “そこからの眺め” 18:00〜18:45

録画済。


従二位白河殿盛子(八木のぞみ)に合掌。
正二位小松内大臣平重盛(窪田重孝)に合掌。
今頃重盛抱きしめても遅いよ清盛(松山ケンイチ)。
ピエタ像のような清盛と重盛。重盛は罪びとか。何の罪?。
「正しすぎるということはもはや誤り」by時忠(森田剛
その存在が平家にとって誤りというのなら、重盛はひとり無明の闇に落ちるしかない。
闇といえば、清盛が覗いた障子の穴。虚無の闇。もしかしたらあの水底なのかもしれません。
後白河法皇松田翔太)を閉じ込めて掴んだ頂点には、祝いの言葉も空虚に聞こえる。達成感も見えない。カタルシスも感じない。真の勝利者でないことが、こんなにもこちらの心に響かないものだとは。
日曜8時の大河ドラマとしてはちょっとどうなのよと、巷がかまびすしい『平清盛』。大河古株としては原点回帰で嬉しいのだけど、さすがにあの黒い画面には驚きを隠せませんでした。祇園女御松田聖子)の幻も。源さんの幽霊とはわけが違います(爆)。ここへきて祇園女御=乙前の役割がわかったような気がする。見守り見続け見届ける者。ひとことでは何と表現すればいいんだろう。傍観者ではないんだよねえ。
“そこからの眺め”というのは私たちにも問われてるのかも。このドラマが終わった時、何が見えるのか。今まで見たことがないものなのか。
期待とも不安ともつかないものがざわざわしている。


余話。今まで書いたことなかったんだけど、この大河ってなんか洋画的。モチーフのちりばめ方とか比喩とか暗示とか。演出もかな。今回特に強く思いました。