テレビ愛知 『美の巨人たち』 田中一村「アダンの海辺」 22:00〜22:30

録画済。

絹地に岩絵の具で描かれた日本画『アダンの海辺』。作者は今から60年前、奄美大島で暮らし始めた田中一村。もともとは個展を開くことも、売るための絵を描くこともほとんどなかった、無名の画家でした。奇跡の始まりは昭和33年の暮れ。50歳の時に、千葉の自宅を売り払い、奄美大島へ新しい絵の舞台を求めて移住する決意をします。知り合いも土地勘もない初めての土地で、一村はその大自然に圧倒され、取りつかれたように描き始めました。それはまるで見えぬ力に突き動かされるかのように…。なぜ奄美だったのか?この島で彼は何を見つめていたのでしょうか?。
一村には10年計画がありました。5年働いて3年間描き、2年働いて個展費用を作り、個展を開く…その計画通り最初は大島紬の染色工として働き始めました。そして奄美にわたって12年目に『アダンの海辺』が誕生します。
アダンとは奄美大島の海辺に自生する亜熱帯性のタコノキ科の植物。鮮やかな黄色と朱色に熟した果実が、画面から飛び出すように迫ってきます。驚くべきは海辺の描写。砂れきの一粒一粒が緻密に描かれているのです。どうやって描いたのか?しかもよくみると落款がない…一体なぜ?。
果たして田中一村とはどんな画家だったのか?。その足跡と“奇跡の日本画”が奄美で生まれた理由を探ります。

番組HPより