NHKBShi 『男前列伝』 「つくりものに“いのち”宿らせる」−松本喜三郎×山本耕史− 21:30〜22:00

録画済。

幕末から明治にかけて、そのリアルさで人々の度肝を抜き一世を風靡した「生人形師」松本喜三郎。「生人形師」とは、生きた人間かと見紛うような人形を作り、見せ物小屋で料金を取って興行した人物だ。喜三郎は、子供の頃から、故郷熊本の夏祭りで「つくりもの」制作で頭角を現していた。その後、驚異的な「人間観察力」を武器に驚く技術をひっさげ、大坂・江戸へ。生人形で「遊女の入浴」など誰もが見たいけれど見られない場面を作りあげては、大喝采を浴びた。たかだか「人形」に、これほどまでに人々を魅了する「いのち」を宿らせることができたのはなぜなのか。俳優山本耕史が「役者=役にいのちを宿らせるひと」の目線で、熊本の祭りや、子孫が大切に保管する品々などを訪ね、探る。

NHK 番組情報ページより抜粋

つくりものというと菊人形もその一種だよね。小学生の頃祖母に連れられて毎年観に行ってました。人形の顔が怖くてあまり直視できなかった記憶が。地方の遊園地の催し物だからそれほど精巧なものではなかったはずなんだけど、首がホンモノだったらどうしよう的な恐怖がありまして。したら後に読んだ『犬神家の一族』で想像通りのことがありまして、更に直視できなくなったという(爆)。以上、余談の私的プチ回顧。
松本喜三郎については以前書いたように、澁澤龍彦の『夢の宇宙誌』で知りました。

安政年間、江戸の浅草奥山で、異国人物人形や役者似顔人形をつくって、大当りをとった、日本の松本喜三郎のことなどは、美術史や美術辞典には載っていないのである。

『夢の宇宙誌』より抜粋

この本が書かれたのは46年も前なのよ。当時の松本喜三郎知名度なんぞ知る由もないけど、現在の超情報社会での知名度を考えれば、さすが天才・澁澤龍彦というべきか。
耕史君は実存主義のひとですね。体験学習です。“書を捨てよ、町へ出よう”*1です。ラストのナレで似たようなこと言ってました。まあ今に始まったことではなく前々からそうでしょう?。実存主義は、善悪二元論ではなく、自分にとって必要であり意味のあるものだと思えばそれが“善”。ああ、あれです。オンリー・ワン。だから今回は原点回帰、自分再認識といったところかと。
番組の趣旨からはズレてるかもしれませんが、そんなことを思いました。

*1:ただし実際は「本読むな」ということではなく、「書を読んだ上で、出ろ、そして再び読め」といった感じ。