NHKBSプレミアム 『東海道五十三次合作絵巻 日本画を創った巨匠たちの旅立ち』 19:30〜21:00

録画済。

その旅は「新しい日本の創造」への挑戦だった。
ちょうど100年前の1915年、20日間がかりで東海道を歩いた画家たちがいた。近代日本を代表する横山大観・下村観山・今村紫紅小杉未醒。四画伯は交替で筆をとりながら東海道を写生旅行。『東海道五十三次合作絵巻』全九巻を完成させた。
急激な近代化・西洋化の荒波の中で、全ての日本人がうかれ、同時に惑っていた時代であった。「日本とは何か」「日本人はどこへ向かうべきなのか」 この課題は、画家たちにとっては自らの存在そのものを問う大命題となった。影響力を増す西洋画に「突き進む」のか、日本古来の伝統の「保守」に埋没するのか—。二者択一の選択に敢然と立ち向かい、新しい日本オリジナルを志したのが四画伯。日本画家の大観・観山・紫紅に、若き洋画家の未醒を加えた4人は、道中議論を繰り返しながら絵筆をとった。広重の「東海道五十三次」から一世紀。日本古来の絵巻という形式をとりながら、西洋画の新しい技法を貪欲に取り入れた空前絶後の『合作絵巻』は姿を現した。この絵巻の制作を機に日本画は大きく舵を切り、現在の隆盛へと続くことになる。
番組ではこれまで部分的にしか公開されたことのない『合作絵巻』(東京国立博物館所蔵)を、初めて一連のものとして写し撮る。彼らを「大正弥次喜多四人男」と称した当時の新聞ルポをもとに4人の旅をドラマで再現。さらに、『合作絵巻』をガイドブックとしながら、東海道の風景に「日本の原風景」を見つめる。これは「新しい日本(画)の創造」の舞台裏にあった熱い思いに迫る美術エンターテイメント番組。
【出演】井浦新/猪熊恒和/杉山英之/大西孝洋/橋本浩明/佐藤志乃/八柳サエ/出光佐千子/清水緑 【語り】伊東敏恵

NHK 番組表HPより

http://www4.nhk.or.jp/P3396/
なんとも贅沢な旅だなあ。物質的金銭的なことではなく精神的に。和の伝統と洋の革新の間でせめぎ合い高め合っていく4人。ドラマ仕立てにしたのは正解ですね。そこに時折、学芸員の解説やツッコミが入って、非常に解りやすかったです。
映画の『天心』観とくんだったなあ。大観が獅童ちゃんで、観山が木下ほうかだったのよ。上映期間が短くてタイミング悪くて観に行けなかった。