テレビ愛知 『美の巨人たち』 俵屋宗達 養源院「杉戸絵」 22:00〜22:30

録画済。

今回の作品は、天才絵師・俵屋宗達出世作「養源院『杉戸絵』」。京都市内にある養源院は徳川家ゆかりの名刹。1594年、豊臣秀吉の側室、淀君が亡き父・浅井長政の菩提を弔うために建立した寺です。その後火災に見舞われ、再建を果たしたのが淀君の妹・お江。『杉戸絵』はその再建時に生まれたのですが、なぜ扇屋の主だった宗達に白羽の矢が立ったのでしょうか?。
養源院の入口を飾る大きな杉戸、さらに長い廊下の奥に、生き物たちの姿が描かれています。入口に描かれたのは唐獅子。右手の白い獅子は、猛獣らしさはないものの、目を見開き何かを見つめています。左手の金色の獅子はなんともおどけたポーズで、まっすぐこちらを睨みつけています。廊下の先の杉戸絵には二頭の白象が。丸々とした巨体は、宗達が一気に書き上げたといいます。
当時、ここまで大胆に生き物をユーモラスに描いた絵師は、恐らく宗達ただひとり。今でいえば、まさに“ゆるキャラ”です。この作品は、宗達にとって絵師として初めての大仕事。しかも杉板というかなり特殊な画面に、流派に縛られない宗達ならではの、前代未聞の技法と空間演出で描きました。その根底に流れる、師匠・本阿弥光悦から受け継いだ心意気とは…?。

番組HPより