NHKBSプレミアム 『おんな城主直虎』#31 “虎松の首” 18:00〜18:45

録画済。


あわや『菅原伝授手習鑑』か『熊谷陣屋』か『盛綱陣屋』か。
疱瘡を患っていた見知らぬ子供の首を掻き抱き、涙しながらも静かに経を唱える直虎(柴咲コウ)。
この子のために。地獄へ赴く政次(高橋一生)のために。
関口(矢島健一)はもしかしたらニセ首だと気づいていたのかもしれないな。

「俺“だけ”が行く」ってことでしょうね。
あと、この身代わりを探したのは龍雲丸(柳楽優弥)かなとも思ったり。依頼者はもちろん政次。政次のことだから、徳政実施の日を方久(ムロツヨシ)に訊いて、今川から「虎松の首を」と言われるのを予想して*1、すぐに動いたか。でなきゃ、関口にあんな顔できないよ。そして、虎松がいない龍潭寺に虎松を探しに行き、直虎たちに状況を知らせ、首実検の賭けに出る。
政次の傍らにいた小野の家臣らしき人物。井伊家の面々とは違い、瞑目し頭を垂れる。主人を想い井伊の殿を想い身代わり首の子を想って………。



みんなが政次の心を知っていた。嬉しいことなのに哀しい。直虎以下、知らなかった方が良かったのかもしれない。私たちはこれからのことを知っているから。


「まだお早い」の顔良かったなあ。
からの
「虎松様、必ずや城を取り戻しお迎えにあがります。ですからどうか我らのためにお隠れくださいませ」
「こんな…こんな大将でよいのか?」
からの
「鎖帷子を、鎖帷子をお貸しくだされ!奥山六左衛門、歩く盾となりまする!」
泣くしかないじゃないか。
でも直之(矢本悠馬)巧い。ここで武芸の苦手な六左(田中美央)に戦って守れと言っても酷な話で、「盾になれ」と。それなら六左は喜んで弁慶になる。自分ができることをする。大将を逃がしてこそ。大将は逃げて生きてこそ。


「掛けがえのない友をかたじけのうございます」
亥之助(荒井雄斗)は伯父の遺志を継ぎ“友”を守ってゆく。


心君はこれで退場なのかしら。最初の頃、大人げない巷の声は「またこいつかよ」でしたけど、この子はホントに巧いんだよ。巧いからひっぱりだこなんだよ。心君が虎松で良かったと、今回とみに思いました。

*1:政令受け入れの後とはいえ、直虎ですら(失礼)そう考えてたし。