劇団☆新感線2011年夏興行『髑髏城の七人』@梅田芸術劇場メインホール(12:30〜) 2F-1-29・30

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作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:小栗旬森山未來早乙女太一小池栄子勝地涼仲里依紗/高田聖子/粟根まこと河野まさと千葉哲也/礒野慎吾/インディ高橋/武田浩二/右近健一/吉田メタル/川原正嗣/前田悟/山本カナコ/保坂エマ/逆木圭一郎/村木仁/村木よし子/中谷さとみ/他

ワカドクロの主役は捨之介(小栗旬)ではなく、天魔王(森山未來)と蘭兵衛(早乙女太一)でしたね。
3人の関係をを変えて「一新して青春ドラマになってる」といのうえさんは言ってたけど、それなら3人の三角形であるべきであって、天魔王と蘭兵衛のラインではダメだと思うのよ。いのうえさんにそのつもりはなくても、私には2人の物語に見えてしまいました。捨之介の存在感があまりにも薄くて……。遊ぶとこ遊んで、でも決めるとこ決める、そのギャップを楽しめるのが捨之介の良さでしょう?。それがただの2枚目キャラではねえ。小栗旬にエロと笑いはタブーなのか?それともその点では古田新太に遠く及ばないからあえて封じたのか?。なんにせよ、ちょっと残念な新・捨之介なのでした。
反して天魔王と蘭兵衛はとても良かった。捨之介と比べると見せ場も多かったし、役得といえば役得でしょうけど(苦笑)。太一君は台詞回しにバリエーションがあまりなくて、ちょっと聞き取れなかったり、未來君の天魔王は中二病か!子供か!みたいなとこもあって、歴代のそれらと比べるともうちょい……とも思いつつ、それでも2人の狂気と妄執と死に臨む姿を見事に魅せてくれました。あとやっぱ殺陣よね。太一君の巧さは周知ながら、対する未來君も素晴らしくて。古田さんにしても踊りが基礎にあるひとは違いますな。軸が全くぶれない。マント裁き綺麗(ここ重要)。そこも旬君は割を食ったね(爆)。100人斬りはなんとかこなしてたものの、いかんせんスピード感に欠けました。
97年版、アカドクロ、アオドクロには遠く及ばない(と思う)ワカドクロ。じゃあ面白くなかったのかというと決してそんなことはなく、ベタベタな新感線のテイストは健在だし、勝ち目のない髑髏城での戦いに挑んでいく姿にはうるうるしちゃうし、7人並んだシルエットはとってもカッコよかったのよ。うん。なんだかんだ言ってやっぱ好きだわ新感線。今回、スクリーン殆ど使わず、書き割りや普通の舞台セットだったしね。贋鉄斎の小屋のせり上がりに拍手(笑)。
あーでもでもでもでも、やっぱ古田さんとじゅんさんに出てほしかったーーー。7年後、待ってます!。
あーこれ書くの忘れてたーーー。千葉さんの狸穴が素敵おじさまでした。ナイスミドルでした。この配役で随分救われてた気がする。更に聖子さんよね。贋鉄齋が出てきた瞬間、一瞬にして従来の新感線の空気に。それはサンボの三五も同じく。あーだからやっぱ……いや、言ってもせんないことですね。


余話1。天魔王と蘭兵衛のあのシーン、やっぱわきわきわきわき(爆)。
余話2。贋鉄斎の小屋の「馬具南無 四十四」。最初、何ゆえ聖子さんの実年齢が、と思ってしまったわたくし(汗)。わかるひとにはわかる。
余話3。色々なものが足りないなと思ったワカドクロ。何だろうと改めて考えると(遅いわ)歌と踊りがなかったのよ。そういやBGMも違ってた。


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