CBCテレビ 『浪花少年探偵団』#11 20:00〜20:54

録画済。


「ちっちゃい男やなー。だから兄ちゃんはモテへんのや」
原田修(前田旺志郎)、心の声でございます。オットと大ウケ大笑い。郁夫(前田航基)が鉄平(濱田龍臣)にぐちぐち言いだしたとこで、オットがつぶやいたのとほぼ同じ台詞やってん(笑)。ちなみに原作ではドラマほどの恋バナ展開はないので、このシーンはありまへん。
残すところあと1回。事件としては11話しかないから本来は今回で終わりなんだけどね。しのぶセンセ(多部未華子)と生徒たちの別れと新たなる旅立ちを、原作よりじっくり描くのだと思います。
原作原作言うて小うるさいばばあやなと自分でも思てますが、原作厨というわけではありません。むしろ、キチンと作ってくれてありがとうと思てます。わりと淡々と展開する原作を、それこそドラマティックに上手く作り上げてると思てます。しのぶセンセを筆頭に生徒たちの設定を結構変えてあるのに、事件はほぼ原作通りに描かれてるし、設定が変わった部分も絶妙に絡ませてると思てます。いきなり冒頭から死体が出てくるのは子供向けとしては絶対だめでしょ、とか突っ込んでるブログがあったけど、そういうことは東野圭吾氏にゆうてくれ。原作どおりや。前にも書いた、子供がうるさいから見てられへんゆうのは論外や。耕史君がはなまるで言ってたな。まえだまえだの二人がうるさくってうるさくってって(笑)。子供はそれでええんや。で、ごっつ叱られて大人になんねん。

この杯を受けてくれ どうぞなみなみ注がしておくれ 花に嵐のたとえもあるぞ さよならだけが人生だ

于武陵:五言絶句『勧酒』/訳:井伏鱒二*1

国文科なら知っとけの井伏鱒二の名訳ですな。まさかしのぶセンセの口から聞けるとは思いもよりませんでしたわ。ええ、例によって原作にはありまへん。しのぶセンセは「花に嵐のたとえもあるさ」と言ってたと思うけど、寺山修司の著書からの引用なのかも。

私はこの詩を口ずさむことで、私自身のクライシス・モメントを何度乗り越えたか知れやしなかった。

寺山修司『ポケットに名言を』(角川文庫)より抜粋

だ、そうです。で、受けて書かれたのが

さよならだけが人生ならば また来る春はなんだろう はるかなるかな地の果てに 咲いてる花はなんだろう

寺山修司『書を捨てよ町へ出よう』(角川文庫)より抜粋

寺山修司の解釈は深すぎてよくわからんのだけど(汗)、元の詩の方は簡単に言ってしまえば“一期一会”でしょうか。

*1:井伏鱒二全詩集』(岩波文庫)参照。カタカナ訳だから、読みやすく漢字とかなに変えました。