NHKBSプレミアム 『真田丸』#30 “黄昏” 18:00〜18:45

録画済。

世の中は 地獄の上の 花見かな

醍醐の花見を見てなんとなくこれが浮かびました。
一茶がどういう気持ちでこれを詠んだかわかりませんが、“花見”は桜ではなく季語でもなく概念的なものかなと。
花見の席での三成(山本耕史)の静の喜びと動の狼狽。
落差が激しいからこそより伝わるもの。

https://twitter.com/alphaterminal/status/759712521846599685
しかしやっぱ山本耕史の眼の演技すごいな。今回、セリフ無いとこでもほぼほぼ眼で語ってたよね。あと「やはり殿下にはこういう華やかな場所が似合う」って呟いたときの嬉しそうな感じが可愛かった #真田丸


秀吉(小日向文世)の老醜極まれり。茶々(竹内結子)の気持ちがわからないでもない。

秀頼に残された太閤の印象は、老醜であり、だらしないほどの愛情であり、執着であり、病気であり、あわれな涙だけだった。勇壮とか、いさぎよさとか、豪放さとか、そのたぐいはまるで残されなかった。しかし、いつも秀頼を見つめたあの目つきだけは、忘れようもなく心に焼きつけられて残った。どう形容していいのかわからないまま……。
(中略)
あの時、三成がしゃべりつづけながらわたしにむけていた目つき。それを思い出した。あれは肉体を持った人間への視線ではなく、旗印を見るそれだった。
(中略)
秀頼は太閤のことを回想した。そういえば、あの目つきにもそれと共通したものがあった。自己の築きあげたもののすべて。それを後世に存続させるための旗印。その思いでわたしを見ていたのだろう。わが子に対する愛情の視線だけでなく……。
(中略)
一方、まだものごころのつかない幼い者が秀頼を見る目つき。城内に出入りする商人たちの秀頼を見る目つき。頭を下げる動作などいかにうやうやしくても、決して旗印をながめるそれではない。その人たちにとって秀頼は唯一の人生のよりどころではないのだ。その差異を秀頼は知りはじめた。

星新一『城のなかの人』角川文庫より抜粋

星氏は“旗印を見る目”は淀も家康も同じだとしています。
この大河ではどうなんでしょうね。旗の色はそれぞれでしょうけど。
そういう意味では刑部(片岡愛之助)が一番謎と思っていたんだけども、源次郎(堺雅人)への言葉で、旗色どうのこうのの次元のひとではないことがわかりました(爆)。
「己自身で決めた道を進めばよいのだ。石田治部に釘を刺されたとか兄に命じられたとかそのような事はどうでもよい。己が正しいと思う道を行けばよい。それが真田左衛門佐の進むべき道じゃ」
今や身内となった義父の言葉が、源次郎を信尹叔父上(栗原英雄)や景勝(遠藤憲一)の「自分のようにはなるな」という呪縛から解き放つ。

https://twitter.com/gsmz_dk/status/759683121558138884
刑部と信繁がマスターとパダワンになってきたな。 #真田丸

わかるひとにはわかる。


前々回ちょっと書いた伴天連追放令*1日本二十六聖人で出してきましたか。この件だけで見ると狂気秀吉ですけども、これまでの経緯を考えると否定的にはなれないな。

https://twitter.com/uCan1003jp/status/759676897265537024
宗教の何が恐ろしいって、死を恐れないことなんだわな。一向宗との戦いで嫌ってほど分かってること。 #真田丸

https://twitter.com/oishiitakuan1/status/759677241148047361
あんれぇ?バテレンが日本人の売買してた話はぁ?日本人の手のひらに穴開けてロープで繋いで二束三文で売り買いしてたのに。 #真田丸


矢沢摩守頼綱(綾田俊樹)に合掌。詳しくは知らない人物だったけど、非常に印象に残りましたね。古豪という感じ。気概気合だけでなく長年武力キープしてた点で。三谷さんはとにかくこういう人物のクローズアップが巧い。まさかのYAZAWAだ(笑)。

https://twitter.com/mtksnkg/status/759730399878582276
矢沢の大叔父上の死に方が万人の夢見る死に方すぎて…例え戦に出れずとも、大叔父上には何の悔いもなかっただろう。あの清々しさ、秀吉との対比がすさまじい #真田丸

対比と言えば、昌幸(草刈正雄)と出浦(寺島進)。
「よう気付いたのう」って昌幸は気付いてなかったんかい(吃驚)。
で、落ち込みつつも、本妻のところに戻り、息子の嫁たちと孫たちに囲まれる。これも対比だ。


地震加藤は今回来ましたね。史実と逸話と混ぜて綺麗に入れてくれました。

https://twitter.com/kitahori_i/status/759720776836583428
秀吉自身も含め、誰もが「秀吉が死んだあとどうなる(どうする)」と思い悩むなか、唯一「殿が死んでしまう」という事実に真っ正面から泣き崩れるカトキヨ
「表情に出すな」ときつく言い含めていた三成が悲しげな顔でなんにも言わなかったのも含めて、つらくて優しいシーンだった #真田丸

涙ぐむどころの話じゃないやね(苦笑)。清正(新井浩文)が泣く分、三成は泣かない。泣けない。