NHKBSプレミアム 『平清盛』#40 “はかなき歌” 18:00〜18:45

録画済。


建春門院平滋子(成海璃子)に合掌。
上西門院様(愛原実花)が流された美しく清らかな涙に、深き悲しみを感じました。
今回、物語が全く動かなくてつまらんと言ってるひとが結構いてびっくり。今まで何を見てきて、今回何を見たのか。録画10回くらい見直してこいや。滋子の死で後白河法皇(松田翔太)と平家というか清盛(松山ケンイチ)を繋ぐ架け橋がなくなっちゃったんですからね。パワーバランスが一気に崩れていく警鐘が聞こえます。それは法皇の泣きながらの高笑い。滋子入内以降、久しく聞かなかったはずのあの乾いた狂気の高笑い。
愛する妻といえどもその死は穢れ。成親(吉沢悠)の諌めの声など聞こえない様子で、滋子に末期の酒を口移す法皇。あの鳥羽院三上博史)ですらそこまでできなかったというのに。法皇の深く深く底なしの愛。

天長地久有時盡   天は長く 地は久しくとも 尽きる時有り
此恨綿綿無盡期   この恨み 綿々として 尽きる時無し

白居易長恨歌』より抜粋

ここでの「恨み」は愛の裏にある別れの恨みです。その愛深き恨みが転じて……というのは見当違いでしょうかね。
歌は世につれ世は歌につれ。法皇が塵のごとくと言った『梁塵秘抄』は800年前の当時の人々の喜怒哀楽を伝えてくれてます。音は残らずとも。
成親の嫉妬。西光(加藤虎之介)の不満。弓上手の知盛(小柳友)・重衡(辻本祐樹)。維盛(大西勇哉)・資盛(大西健誠)の青海波。忠清(藤本隆宏)の涙。それぞれ何気ない場面ですが、これから避けて通れない様々な出来事が思い浮かびましたよ。
私たちはこの後どうなるのかを知っている。どうなったかを知っている。それを考えれば、動かなくてつまらんなんて感想は愚の骨頂。事件への布石はそこかしこにある。
今回の盛絵。
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ああ、そういえば。その身分から母の死に近づけない高倉天皇千葉雄大)の嘆きや如何に。